「C&P、美容業界の新セグメント開拓と業績向上を支える本部と店舗の一体感創出と満足度の高い顧客体験の構築」
株式会社C&P 営業部 部長 上原 薫 氏
モデレーターClipLine株式会社
行役員 カスタマーサクセス部 部長 植原 慶太
植原ー早速ではございますが、自己紹介と御社の事業のご紹介をお願いします。
上原様(以下、上原)ーはい、株式会社C&Pの営業部長を務めております上原と申します。弊社は株式会社アルテ サロン ホールディングスという美容室を300店舗以上運営するグループの事業会社の一つであります。その中で我々はChoki peta(チョキペタ)というカット&カラー専門美容室をチェーン展開しています。通常の美容室はスタッフさんや、店舗で個性を発揮して差別化を図っていくのが一般的ですが、チョキペタに関しましては、どの店舗でも、どのスタッフが担当しても同じオペレーション・同じクオリティー・同じプライスでサービスを提供できる美容室チェーンを目指しており、現在54店舗を展開しております。
上原ーこちらが当グループの事業ポートフォリオになっているんですが、このように当グループにいくつかのブランドを有しておりまして、縦軸が料金高低で、横軸が多様性と単一性となっております。
左下に位置するように、より専門性が高く、リーズナブルな料金体系のブランドとなっております。
「ヘアメンテナンス」と私たちは表現しているのですが、こまめにご利用いただき、お客様のいつものお気に入りの状態を維持して、いつも変わらずきれいでいていただくということをコンセプトに運営しております。
植原ーありがとうございます。後ほどもう少し事業の深堀りをしていきたいと思いますが、その前に一点「コロナ禍での変化」について、どのような状況だったか教えていただけますでしょうか。
上原ーはい、これはどの業種も同じだと思うのですが、コロナ禍真っ只中の期間は非常に危機意識が高まりました。なにせ不要不急の外出を自粛しなければならないという状態でしたので…。
実は、カラーリングに関してはホームカラーによる美容室離れの傾向がコロナ前からありました。カラーは家で自分でやって、カット専門店でカットするような動きですね。それがコロナによってさらに進んでしまいました。
対策を練るため、お客様に大々的にアンケートを実施すると、過去にホームカラーを実施したお客様から「うまくいかなかった」「非常に面倒であった」など、ネガティブな意見が非常に多くあったんですね。
この意見が存在価値の再認識に繋がりました。打ち手として本質的なサービスの向上・リアル来店による満足度を高めることに集中し、迷う暇はなく、さまざまな施策を検討しました。
そうした本社の方針が決まった中で全スタッフ・現場スタッフのベクトルを合わせるために経営メッセージ等の配信も繰り返ししておりました。
まだコロナ明けといってはいけないかもしれませんが、状況の改善に伴い、売上も上がってきております。これはコロナ禍の中で行ってきたサービス・接客レベル改善の取り組みの賜物だと感じており、従業員へも「今は皆さんのおかげでこんな売上が達成できております、本当にありがとうございます」といった感謝や労いの言葉をClipLineを通じて配信するなどしております。
植原ー続きましてC&P様のビジネスモデル・戦略とそのために最適なDXについて伺いたいと思います。
まずは先ほど「ヘアメンテナンス」といったコンセプトをご紹介いただきましたが、具体的にそれはどういった内容なのか、もう少しお聞きできればと思います。
上原ーはい、顧客・ターゲットは50代以上のグレー世代の女性でございます。実際にご利用いただいているお客様の80%をしめております。先ほども申し上げましたが、最近の傾向である「美容室離れ」の要因の一つであります「ホームカラー」をされているお客様に対して、エコノミープライスでサロンカラーのクオリティー、という点を訴求しております。
働くスタッフさんに関しましては、パートスタッフさんが中心で、休眠美容師さんが多いです。休眠美容師さんというのは、免許を保有しているのに、実際に現場で働いていない方を指すのですが、そのような方が70万人ほどいると言われています。
そうした方が中心であることもあり、スタッフの平均年齢は46歳でございますので、ターゲット顧客である50代以上のグレー世代の女性ともコミュニケーションが取りやすいというのも、お客様が利用しやすい特徴なのかなと考えております。
植原ー今ご紹介いただいた中で、特に御社のビジネスが成功するためのポイントというのはどのあたりにあるのか、どうお考えでしょうか?
上原ー「技術の標準化」「サービスレベルの標準化」が一番の肝だと考えております。チョキペタは一般の美容室と違って指名もないですし、予約もありませんので、どのお店・どのスタッフでも一定のサービスレベルを受けられるということが、お客様の安心感につながるため、技術の標準化が一番大事だと考えております。
植原ー今お話しいただいた内容を改めて三つの観点で整理させていただきました。1つ目が一番上にあります「お客様の視点」。2つ目が左下の「美容師の視点」、実際に働かれている美容師の方の視点です。3つ目が右下の「事業の視点」です。
植原ーそれぞれの観点からみたときに、この一番真ん中にある「標準化」が中心にあると感じております。我々素人目線からしますと、美容師さんというのはそれぞれにスキルがあって、いってみれば職人芸のようなイメージがありますが、大きなキーワード・コンセプトとして標準化というものをおいて、お客様・美容師・事業のそれぞれの視点で、しっかりと成果を出していく仕組み・サイクルを作られていらっしゃるところが、非常に特徴的だと当社も理解しております。
植原ーもう一点、我々がチョキペタ様のお取り組みで着目している観点として、先ほどお話いただいた「休眠美容師」の存在がひとつ非常にユニークな点と思っております。
釈迦に説法ではございますが、色々なサービス業を中心とした企業様とやり取りさせていただく中で、やはり一番多く聞くのは「人手不足」というお声です。
そういった中で、例えばご家庭に入られている主婦の方ですとか、元気な高齢者の方ですとか、外国籍の方ですとか、様々な方に活躍をしていただかなくてはいけないというところは、避けて通れない課題かと思いますが、チョキペタ様は休眠美容師の方が安心して働ける雇用を生み出しています。ちなみに採用のホームページに載っている動画では、休眠美容師の方が実際にインタビューに答える形で、働きやすい環境だとお話されています。
植原ーご説明いただいた技術の標準化を進めていく中で、Cliplineにご関心をいただいたと思いますが、Cliplineを導入しようとお考えいただけた理由・判断に至った期待がどういったところにあるのかというところを、お伺いできればと思います。
上原ーそもそも標準化を進めていく上で、動画でのマニュアル・共有ツールというのは、何かいいのがないかとずっと考えておりました。
当初は動画マニュアルを撮影し、それをDVDに焼いて配ったりしていました。まずは紙からDVDへの移行です。しかしそもそも物理的なマニュアルが存在していると、更新されるときにいちいちそれを回収して、また新しいものを届けていかないといけない。店舗展開していく上で、だんだん追いつかなくなってきました。
もっと良くないのは、古い動画マニュアルが店舗にあって、新人スタッフが入ってきたときに、それがマニュアルだと思って学習してしまった、と言うパターンです。実際に「古いオペレーションを学習してしまった」ということが起きたりしました。
こうした事象を起こさないために、Cliplineさんのシステムは便利です。システム上に動画が並び、カテゴライズされていて、一から見ていくと、新入社員編や既存スタッフの技術編や、オペレーション編、精算の仕方など、さまざまなカテゴライズを行った上で参照できるというのは、非常にいいなと思いました。
あとは双方向性、動画の双方向性です。こちらからの一方的な配信ではなく、現場から本部へ、あるいは現場から横展開などもできることに魅力も感じました。
そのあたりはまだフル活用できていないところではあるんですが、今後そういった用途も考えております。
植原ー今お話いただいた1点目ですが、まさにチョキペタが新規事業として立ち上がり、オペレーションも日々進化していく中で、一度店舗にしっかり落とし込んだオペレーションをがらっと変えるタイミングにClipLineをご紹介させていただいておりました。
これから新しく立ち上がる店舗はここからスタートするのでよいですが、既存のお店は今までのやり方というのがしみつき、新たなオペレーションへの移行に課題が生まれてしまいますが、ClipLineによってしっかりと最新の情報のオペレーションを落とし込みができる、という点でご期待いただいていたと当社としても記憶しています。ありがとうございます。
植原ー続いて、実際にClipLineを活用したマネジメントサイクルをどういった形で実行されていらっしゃるのかを伺いたく思います。
植原ーC&P様では大きく分けると、今上記の三つの観点で利用いただいていると考えております。
これらが全部一遍に始まったというわけではなくて、Cliplineをご利用いただいている中で色々と使い道が広がってきたと認識をしております。
例えば「新人教育」では、最初にオリエンテーション向けの教材ができて、そのあとにカットの技術の教材もできて、最近ではパーソナル版、いわゆるスマートフォンでご利用いただけるアプリケーションで、入社前にもチョキペタ様のノウハウをしっかり学習できる環境を整えるなど、さまざまな使い方をしていただいております。
これらを店舗の現場の皆様に利用・活用を定着させていく中で、ポイントになったところがあればぜひお伺いさせてください。
上原ー実際のところ、定着させるには非常に苦労しました。これは嘘なしでそう申し上げておきます。まずは、以前本社からのアナウンスはFaxだったりemailだったり、当初Lineだったり、色々なツールが混在していました。そうしていると、どこに重要なアナウンスがあるのか、どれを見なければいけないのか、いつ見なければいけないのかが、だんだんわからなくなってくるんですね。
そこでこちらが絶対に伝えるべき内容のものが確実に伝わるよう、共有のプラットフォームをCliplineに統一しました。
その次の課題は、ClipLineを日常の業務に落とし込むことでした。
これはあるあるだと思うのですが、Cliplineを開いた時に何も更新されていない・新しいコンテンツが上がっていないとなると、退屈して開く頻度が少なくなる可能性があります。
そこで、これは現在進行形なのですが、各店の売上進捗と売上進捗表、売上順位を毎日毎日上げ、それと本社からのメッセージを一言添えて、それを毎朝朝礼、店舗の始まる前の朝礼で読み合わせる。
それによってCliplineを必ず開いてそこで読み合わせるという習慣をつけました。それができるようになると、今度は朝のメッセージで昨日こんなコンテンツを、この動画をアップしたので、ぜひ御覧ください、と言うような自発的な動きが生まれてきます。そうした動きで徐々に定着していったと思います。
あとは普段現場のスタッフが会えない役員の方や社長が動画で話していたりすると、「ああ、こんな方なんですね」とか、「こんなこといってますね」「会社の方針ってそうなんですね」と言うように説得性が増す効果がありました。
どんどんCliplineを見ないと会社からのメッセージは伝わらない、という風になっていきまして、見ていただける形になった状態でございます。
植原ー今お話いただいた中でおもしろいなと思ったことが、いわゆる売上の数字・データの部分については本部からのメッセージも添えて出すというお話があったと思うのですが、そこの重要性は高いでしょうか?
上原ー非常に重要だと思いますね。毎日毎日それを言っていくと、今こういう風に進んでいかないといけないのか、だんだん刷り込まれていくわけです。
そうした状況をベースに、毎日「今はこうするべき」だとか「コロナなので今は少しセーブしましょう」とか、そういったことが伝わるいい機会になっているのかなと思っております。
植原ー では実際にどういったコンテンツを配信されているのか、どういった使い方をされていらっしゃるのか、お話いただければと思います。まず一つ目が新人教育・新人オペレーションといった観点のコンテンツですが、カラーの準備ですとか、保護クリームの塗り方などの細かいオペレーションを動画化しています。
こちらの効果としてはいかがですか?
上原ー これはすごく効果的でして、実際に新人から定着したスタッフさんに当時の動画の評価を聞くと非常に良かったという感想もいただいています。
これはなぜかというと、面接があって、採用が決まり、オリエンテーションをやりますとなったときに、新人スタッフさん、特に先ほど申し上げた休眠スタッフさん、ブランクがある方は、そのオリエンテーションでどんなことを教えてもらえるのか、どんなことをしなければいけないのかなど、非常に不安なのだそうです。
しかしClipLineに新人スタッフさん向けのコンテンツがたくさんあるので、任意ですが、見ていただくと当日の理解が深まります、とお伝えするとだいたい見ていただけます。
もちろん強要しているわけではないですが、見ていただいて「こんなことやるんですね」「これだったら私もできます」「基本的なことですね。」「なんとなく思い出しました」という話になって、業務のレクチャーが非常にスムーズになります。事前に動画を見ているので、「じゃあやってみてください」からはじめられるんですね。
時間もぎゅっと短縮しますし、理解度も深まるというとてもいい効果が得られたかなと思っております。
植原ー ありがとうございます。実際に店舗ではお店にあるタブレットでCliplineをご利用いただいて、それ以外にスタッフの皆様がご自身のスマートフォンでも、こういった学習のコンテンツを確認いただけるということでしょうか。
上原ー はい、そうです。
植原ー なるほど、ありがとうございます。当社も色々な企業様とお話させていただいている中でよくお伺いしますが、スマートフォンを使って学習できるといいんだけれども、なかなか情報の管理や労務管理の問題で難しいケースもあるのが実情かと思います。
一方で上原様にお話いただいたように、見られる状況を整えておくことで、スタッフの方にとっても非常にありがたい・うれしいという声が現場からも出るのは確かかと思います。
特に先ほどお話いただいたように、休眠美容師様のようにブランクのある方は、こういったところが安心感・緊張の払拭に非常につながっていると思います。
他にも新人教育・新人オリエンテーションのコンテンツはたくさんご用意いただいていて、お会計の機器の操作ですとか、オートシャンプーの清掃など細かい部分をコンテンツとしてご登録いただいています。
植原ー それ以外でもコミュニケーションやお客様満足・マナーといったところでも、色々なコンテンツをご登録いただいております。例えば公式Lineの友達追加の推奨についての動画も作られていますが、こういったものを配信されて、実際何か御社の中で目に見える成果は出ていますでしょうか?
上原ー こうした取り組みに関しては同じオペレーション・同じメニューで展開しているにもかかわらず、店舗ごとにバラつきがでてくるわけですね。それに対して会議などで優秀店舗に理由を聞くと、言葉でいろいろ説明してくれるんですが、それだとなかなか伝わらないというのが現実です。
なのでこういったことを動画にすることで、「そういったタイミングでやるんですね」「その高さにポップを張るといいんですね」「ここを指しながら説明するといいんですね」など、そういったことが非常にわかりやすいそうです。なので、目に見えてバラツキが標準化・平準化してくるというか、そういった効果も得られております。
植原ー その他では、オペレーション変更について本部の方から発信があり、それに対して各店舗から「うちの店ではこんな風にやりました」と写真や動画で対応をClipline上に投稿していただくという取り組みを行っていただいています。単に本部からの情報を見るだけではなくて、お店の状況を共有する双方向のコミュニケーションにご利用いただいております。
植原ー 続いて「QSC向上施策」をご紹介させていただきます。
まずは「技術の標準化」として「早く塗るコツ」など、美容師の方が実際に行う技術やクオリティーに関しての教材を揃えていらっしゃいますが、技術面の教育について、何かポイントにされている部分はございますでしょうか?
上原ー これも同じお店にいて、やってみせることができていれば特に問題ないのですが、なかなかそれができない中で、「これくらいやらないといけないんですよ」「この時間でこれくらいのクオリティーをやらなければいけませんよ」というのを、リアルタイムでカラーを一通り塗る動画を見せることで、説得力がぐっと増した形で展開することができます。
植原ー マニュアルに対して「実際にそんな速さでできるんですか?」という反応が来るのはある種あるあるですが、いくら言葉で伝えても写真で伝えてもわからないのを、じゃあ、やってみたから見てよとご覧いただくのは、たしかに説得力の塊ですよね。
実際に御社の場合ですと、見ていただくだけではなく研修の中でも活用いただいていて、リモートカット研修という取り組みも行っていらっしゃいます。
上原ー 「技術の標準化」のために進めている施策の一環です。
具体的には、まずは模範動画を実際に撮ります。こういう工程でこういうスピードで、こういう仕上がりを作って下さいといったような動画です。
その後各店で統括しているマネージャーがメンバーを選抜し、実際に模範動画と同じようにやるところを撮ってもらい、採点していくという形で行っております。
これには最初はネガティブな反応が少しありました。技術的なところのチェックを受けるというのは、自信がない人ほど嫌に思うもので、今までやってこなかったことなので。
しかし結果としてやり続けていくと合格率がどんどんあがってきて、技術と取り組みの浸透を感じています。
植原ー ありがとうございます。お手本の教材を見ていただいて、理解していただくだけでなくて、しっかりと各スタッフの方々ができるようになるところまで、こういう仕組みで運用されていらっしゃるところが素晴らしいと思いました。ありがとうございました。
上原ー 補足ですが、こういった技術をチェックして、採点するだけでなく、不合格になったスタッフに関しては「こういうところがよくなかったよ」とフィードバックをするとともに、フォローアップの場も設けているというのが現状でございます。その繰り返しを行って合格率が上がってきたということをお伝えしておきます。
植原ー その他、カットの技術だけではなく、クリンネスの部分・ディスプレイの部分も、同様にお手本の動画を見て、それに対して各店舗がどうやっているのか、各々で共有するという使い方もしていただいております。
植原ー 「接客・顧客満足度向上のベストプラクティス共有」という取り組みも行っていただいています。
上原ー これは非常に良い取り組みだと考えております。
お手本にしている動画のお店はあきらかに54店中で客単価が非常に高い店舗なんですが、現場で実際に視察した際にすごいなと思ったことが、通常は施術担当者とスタイリスト・美容師・お客様と一対一になって仕上がりを確認して、「すごいきれいになりましたね」「すごくきれいに染まりましたね」「ありがとうございました」というのが一般的なんですが、
ここではそこに加えてスタッフ全員が振り返って全員がほめていたんです。「そりゃ、お客様、喜ぶな」と思いました。
先ほどのお話のよにこうしたことを言葉で説明してもなかなか「そんなことやりますか?」みたいな話なんですが、実際にやっている動画を撮ってきて、「こんなことをやっていますよ」と見せると、「そこまでやっているんですね」と言う腹落ちができるんですね。
植原ー ありがとうございます。ここでもやはり「説得力」ですね。
実際のアップセルの要因となるプライベートブランド等の商品販売のコンテンツも揃えていますね。
上原ー これに関しましてはかなり細かくシーン分けして展開しています。
売れない人は顧客心理が理解できていない場合が多いと思います。
それに対して売れているお店のアプローチ例では、「新規のお客様はまだ不安に思っているので、ここでそのアプローチはしませんよ」「再来店のお客様はこのタイミングでやるといいですよ」「この商品に関してはシャンプーに入る前に説明するといいですよ」など、シーンごとに細かく説明しています。
植原ー ありがとうございます。こういうシーンでこういう風にやってほしんだというところをきめ細かくコンテンツになっているので、これをみた現場のスタッフの方も、これ、できるよねというところで、やってみようという気持ちになるんじゃないかなと思います。
植原ー 最後に「コミュニケーション」という観点です。社内表彰もClipLine上で行っていただいていて、かなりユーモラスにも作られていると思うのですが、この辺りで意識されていることはありますか?
上原ー まさに今おっしゃったように面白要素っていうのは、最近入れるようにしています。普段は結構厳しい姿で指導しているマネージャーがちょっとお茶らけてやってみると、ちょっとほがらかになるのかななど、色々考えながらやっています。
もちろん教育動画・マニュアルなので、まじめに見るのは当たり前なんですが、ただやっぱり息が詰まってしまうところがあるのかなと思い、少し面白要素を出しております。
また、頑張った人をいろいろな観点からたたえたいということで、社長自らが月間でよくできた方を色々な賞で讃えるという取り組みも行っています。これは本部と現場とのコミュニケーションに重要だと考えています。
植原ー もうひとつ、お客様の声を共有されるということも実施されていらっしゃるんですが、こちらにはどういった狙いがあるのでしょうか?
上原ー 今までは具体的にいうと、Googleでいただく口コミを参照していたんですが、今まではいいメッセージとクレームのうち、クレームの方をフィーチャーして、それをやってはいけませんよとか、こんな言葉を頂いてしまいましたよということをよくやっていたので、口コミ=悪いイメージ・クレームというイメージがついてしまったんです。
集客の観点から口コミを増やしましょうなんてやっているんですが、現場は非常に抵抗があったので、なかなか進まなかったことがあり、逆に応援メッセージやいいコメント・お褒めの言葉というのをどんどん紹介して、口コミを増やしましょうとマインドセットをして、今はたくさんお声を頂戴している状態です。
植原ー 売上進捗やマネジメント向けの教材もClipLine上で共有されています。店舗でのカット等オペレーションだけではなくて、マネジメントの観点でもこういった形で教材作成しています。ここで何かポイントにされているところはございますか?
上原ー マネージャー向けに売り上げの数値分析を私が解説する動画も展開しています。弊社の美容師には数字への意識があまりないところもあるので、客単価や客数をこういう風にしていこう、そのために客数に寄与する施策をこんな風にやっていこう、といったロジカルなことを1回の会議だけでなく、繰り返し参照できるようにしています。
植原ー 結果の部分だけではなくて、じゃあどうしたらいいのかというところに着目して、答えの部分もセットで発信されていらっしゃるという点がポイントなんだと思います。
植原ー 今後ClipLineでやってみたいことはございますか?
上原ー 成功事例の横展開をもっとスピード感を持ってやっていきたいですね。どうしても本部の人間が売り上げや取り組みの良い店舗に向かって撮影・編集・コンテンツ作成と言うフローになるので、良いものを現場で撮って素早く展開するということでどんどんやっていきたいなと思っております。