<主催者講演>
省人化・省力化の時代にこそ考える
人の「価値ある仕事」と自己変革型組織を創造する
”デジタルSECIモデル”と実行力

ClipLine株式会社 取締役COO 金海 憲男

皆様、こんにちは。ClipLine株式会社の金海と申します。

タイトルを『省人化・省力化の時代にこそ考える 人の「価値ある仕事」と自己変革型組織を創造する”デジタルSECIモデル”と実行力』と題してお話します。各企業様で昨今の人材不足の課題や人の仕事がどうあるべきかと、その中で実行変革型組織を作っていくというのにあたって、野中先生からもお話いただきましたが、SECIモデルというものがデジタルと組み合わせてどういうことを生むのかというところについても少し触れていきたいと思います。

ClipLineのご紹介:我々のミッションと成り立ち

当社は「できる」と増やすという言葉をミッションに、主に多店舗・多拠点展開ビジネスをされている企業様向けにサービスを提供しております

サービス内容について1つ目が左端、短尺の動画を双方向で「本部と現場」、「現場同士」でやりとりする。これによって物理的な距離を超えて店舗の、拠点のマネージメントをしやすくする。こういったサービスを提供しています。

2つ目が「ClipLineサーベイ」、お客様の声を早く、リアルタイムに、正確に、現場に返す、本社に返す。こういったかたちで企業活動を支援していくというサービスです。

3つ目が最近開始したサービスで、「経営ダッシュボード」です。本部で見る数字には色々なものがあります。そこには複数の担当がいらっしゃるケースがあります。でも現場は1つであり、どうしても情報の混乱が起き「何からやればいいんだっけ」「今、何が本当に困っているんだっけ」という課題、まさに野中先生が言われる「オーバー・アナリシス」です。「では何からやりましょうか」と、こういうことをはっきりと現場と経営で同じものを見ながらやれるようにする、というサービスを提供しております。

直近の世の中の動き:本格的なアフターコロナへ

日々事業を営んでいらっしゃる皆様からすると体感しているところかと思いますが、各企業様・業界で、今、世の中人の流れが戻ってきている、ビジネスが戻ってきているという状況かと思います。本格的にアフターコロナになったと言っても差し支えないのかな、と思います。特に「旅館・ホテル」、「飲食店」業界の戻りは非常に強い、と感じています。

我々も色んな企業様とお話しておりますけれども、どこの企業様も口をそろえておっしゃるのは「こんなに戻ってくるとは思ってなかった」という声をよく聞きます。

一方で「人材派遣・紹介」業界が伸びてきているという話で、つまりこれが物語っているのは「人不足」という話かと思います。

左の表は帝国データバンクの調査です。2番目に「人手不足の深刻化」があります。1番目は「原油・素材価格の動向」ですが去年2022年の3月に比べ今年2023年の3月は、「人手不足」が業績の下振れ要因になるのではないかと思います。

つまり「量」としては完全に不足していると。一方で「質」はというと右側なんですけれども、先日ある飲食系の経営者さんとお話した飲食系の企業様なんですけれども、コロナになると飲食は特にお店を開けられない。閉めていると、その間は補助金がでる。こういう時期があったりもしました。

そうすると働かなくても給料がもらえる状態がしばらく続いてしまった。そうすると「いざ、仕事再開だ」って言っても以前と同じように、なかなか気力も体力も続かないというケースが見受けられると。

つまり、その方は表現を変えると「営業体力」というものが失われつつあるのではないかと、こういうご懸念をお持ちの方もいらっしゃいました。つまり「量」も「質」も厳しくなっているという話なのではと思います。

人手不足は全方位的

ちなみに人が足りないというのは、正社員も非正社員も同じく、両方とも軒並み、今、人が足りませんという状況になっています。

一方、数カ月前まで遡ると、事業継続できるのであろうか?と、困難な時期がついこの前まであったのではないかと思います。縦軸は事業のボラティリティ、変動の幅ですね、その事業に対する需要です。ついこの間まで需要がほとんどなくなってしまって「会社が続くんだろうか?」という状況だったのが、数カ月経つとですね、これは逆に機会損失がでるのではないかというくらい一気に需要が戻ってくると。こんな揺れ幅がダイナミックに起きているというのが今の状況かと思います。

いかにこのボラティリティ、変動幅に耐えうる組織にしなければならないというのが大きなテーマかと感じます。

本質的な課題感

もう1つ大きなテーマとして「サービスレベルのワニの口」です。何を言っているかと言うと、ご存じの通りで人は減っていきます。そうすると企業の生き残り競争は激化する方向に行くしかないのでサービスレベルは上げていかなきゃいけない、と。一方人が減るということは、労働力は不足し、その中で質を確保するのは難しくなっていくと。

つまりサービスレベルって、実は「同じ質をあと3年維持してください」って言われても、これ自体が実は結構しんどいな、と思う経営者さんって実は結構増えていると思います。それくらい今、人がいなくなってきていてサービスを維持することすら難しいと。この「ワニの口」は時間が解決してくれない問題ということになります。むしろ、どんどんどんどんギャップは開いていくということになるので「これどう埋めましょうか?」というのが、大きなもう1つのテーマになるのかな、と思います。

これって「ちょっと君、もうちょっと頑張ってよ」という話ではもう追いつかない、だんだん開いく話なので、どこかで閉じにいかなくてはならない、こういう話がもう1つ大事なテーマかなと思います。

そこで本日の内容は「省人化・省力化の時代にこそ考えよう」と。この人が足りない中で、人の仕事ってどういうところに振っていくべきか、より価値のある仕事に振っていくべきではないか、というのが我々のスタンスなのですが、こういったことを一緒に考えたいと思っております。

変革していく組織を創造していく、そのためにはどういったことをしていくのか、というセッションになります。

ただ「さぁ、変革だ」と言っても、これはなかなか上手くいかないので、ここをどうやれば上手く行くのかというのをご一緒に考えたいと思います。

企業変革は成功率30%

ちなみに変革が上手くいかないっていうのが、どれくらい上手くいかないかというと、これはある調査機関の調べによると「変革やります!」っていって「上手くいきましたか?」と聞いて「上手くできました」と言う人は10人中3人。約3割です、という話だそうです。7割は「思ったようにいかなかったです」あるいは「失敗しました」という回答が出てくるという話です

野球に例えると良い打率ですが、企業活動で皆を巻き込んで変革するぞというのが3割なのはちょっと辛いな、というところはあるかなと思います。逆に言うと7割は失敗するということなので、この失敗は何で起こるのかっていうところを少し考えてから「じゃぁ成功の為にどうするのか」というのを見ていきます。

なぜ変革は失敗するのか

変革の失敗点①  経営の危機感 vs 現場の困りごと

我々が様々な企業様をお手伝いする中で、失敗する、上手くいかないな、という所にはいつくか共通点があると感じています。

1つ目タイトルに「経営の危機感 vs 現場の困りごと」と書きましたが、ここが嚙み合っていないというケースがあると感じます。

経営の方からすると見ている先は、どうしても「競合相手に対してどう勝っていこう」ですとか「マーケットにどう受け入れられるんだろうか」「株主等々のステークホルダーの方からどう評価していただこうか」とか、こういう話になります。その他、資本政策、事業計画、あるいは中期計画作らなきゃと、どうしてもスパンとして今期はどうなる?3年後はどうなる?5年後どうなる?とこういう話になると思います。

一方で現場にいらっしゃる方は、一緒に働く従業員や、そこにいらっしゃるお客様相手の話なので目の前のお客様、目の前で今横にいる従業員、今日の営業、明日の営業、あるいは今月の実績、こういうスパンになってくると思います。

見ているものが、これ良い悪いではなくて、時間軸が別のものを見ているので、構造的に食い違って見えるというのが1つポイントと思います。

もう1つは、物理的に多拠点ビジネスをやっていると、見えない。実際に話は聞くが状況として見えるわけではない。これがなおさら本当はお互いわかっているのだが「またうちの会社はわかってくれないんだな。現場のことを」みたいな、こういう受け止めされ方をされてしまって情報がちゃんと伝わらない、落ちない、というケースはよくあると思います。

変革の失敗点➁ :組織構造

2つ目が「組織の構造問題に目を向けているか?」という話です。大体物理拠点のマネージャー、ミドルマネージャーまではどの企業様も情報をしっかり伝えると思います。

今、コロナもあけたので全社員、拠点長の方を本社に集めて丸一日缶詰にして拠点長会議を行う企業様ケースも結構多いかと思います。そうやって伝えるが「現場で働く人達にはどうやって伝えてますか?」というと、ここはもう拠点長任せにならざるを得ない、と思います。

そこでどんな風に説明しているか、何でこれをやるんだって説明しているか、どんな風に、さっきの野中先生の話で言えば共感を生んでいるか、この辺が見えないというケースが多くあります。

しかし実はサービスを提供しているのは、この一番現場で働く人達なので、この人達こそが本当に理解していなくてはいけないのに、一番大事な人達への情報伝達が一番不確かであると。どうすればいいのかよくわからない。これが1つの構造問題じゃないかと思っています。

ではこの拠点長って仕事サボっているんですか?というと、そうじゃないじゃないですか、というのがこの画です。砂時計のくびれのように、本社には色んな人がいて色んな役割があります。その人がみんな情報を落とそうと思ったら、まずこの真ん中を通して落としていく。まさに砂時計のくびれみたいにない、ここがしっかり太ければ情報はしっかり落ちますし、逆に現場の困り事もあがってきますが、このくびれが細いとなかなか砂の落ちない砂時計みたいになります。拠点長が悪いのかというと、これを野球に例えるとそうでもないです。ピッチャーとキャッチャーの関係で言うと、ピッチャーが沢山いて、球が一斉に飛んでくるという。この状況で球をみんな受けるのはなかなか難しい。

こういう問題が日々の経営の中で起きているのではないか、という話です。

つまりこの2つ、伝言ゲームと砂時計のボトルネック。これが重ねあわさると、経営として何が起こるかというと、何か新しいサービスを展開しても、それが伝わっている人と伝わっていない人に差が出てくる。それによって業績も差が出てくる。こういうことが1つの問題ではないかと我々は考えています。

こちらを解消する1つが、野中先生のSECIモデルなのですが、実はもう1つネックがありまして多拠点展開していても、していなくてもそうなのですが、どうしても組織の中で「蛸壺化する」という話です。

拠点の情報がその中で閉じてしまう。例えば物理的に多店舗展開しているビジネスで考えたらイメージ沸くのですが、何か新しいことを始める場合、各拠点でそれぞれ思考錯誤します。本当は例えば100店舗あれば1日営業すると100日分の営業のノウハウが溜まっているはずですが、それが拠点で閉じてしまうのでそれが共有されない。

何が起こるかというと、成功事例が伝わらずに各拠点で同じような思考錯誤する。場合によっては失敗例が伝わらずに同じ失敗をしてしまいます。
A店の失敗をC店でもやってしまう、とこういうことが起こりがちという話です。
野中先生のSECIモデル、まさに共感から始まるというところです。すごく雑駁に言ってしまえば、まず誰かがやっているやり方を、暗黙知のやり方を見て学ぶ。「なるほど、そいういうやり方があるのか」と思うと、次に「それってつまり、自分のやっているやり方とこういう違いがあるんだよな」と、ここで言語化される。文字に落ちたり言葉になったりする。

そうすると「もともと自分でやっているやり方と組み合わせて、こういうやり方があるってことか」と。「自分が持っているもの」と「新たな知」が結合されて、「新たな知」がここで生まれますという話です。「それ、よしやってみよう」ということでやってみて、その人の中でインターナライズしていく。こういうステップがぐるぐる回っていくのがSECIモデルであり、これはまさに野中先生がおっしゃるところの知の交換であると思います。

実際には知の交換が蛸壺化してしまって、この中で極所にしか起こらないというのが1つの問題だということかなと思っています。

つまり知の交換、新たな知の創造っていうのは多拠点・多人数の事業でこそどんどん起こって欲しいはずなのに、物理的に離れているがゆえにそれが起こり辛い、というのがもう1つの問題と我々は捉えております。

変革の失敗点③ :DXの進め方

変革の失敗の3つ目ですが「我が社は構造改革します」という点です。いきなり言って現場がついてこなくて頓挫するというパターンがあります。

我々これを山登りに例えています。まず入り口でコケずにクイックヒットを打って、ここから本質的な変化を起こして、それが状態化するというのかそれが1つのパターンかなと思うのですが、なかなか現場からすると「何でそれ今やるんですか?今、忙しいのに」みたいな、こういうリアクションになって前に進まないというケースよくありますが、こういうところを気にしていくのがポイントかと思います。

似たような話で、DX、デジタル化する時に、こういう議論がよくあります。新しいツールを入れる。「今まで出来なかったことが出来るようになるぞ」という話と「今までやってたことが楽になるぞ」という話と。どっちやりますか?という話です。

魅力的なのはシナリオBなんですね。今まで出来なかったあれやこれが出来るようになるぞ、やったーというところですが、これはなかなか現場がついてこないケースがあります。

結論、我々はシナリオAから行くのをお勧めしています。まず今やることを楽にする。新しいものを受け入れる余白を作ってそこに今まで出来なかった新しいものを入れる、というのが、これは理屈があるというよりは経験値の話で、そういった形の方がやはり成功確率は高いのかな、と思っています。

こういった順番があるのかなと思っていて失敗点の3つ目ということになります。

以上を踏まえ我々「CLipLine」というITサービスを提供しており、導入いただいている企業様を例に「上手くやるためにはこういうことが必要なんじゃないか?」を考えてみたいと思います。

組織実行力を高める動画型マネジメントシステム「ClipLine」

先に「ClipLine」というツールを少しご紹介してから事例のお話した方がイメージが沸くかと思いますので、少し「ClipLine」のお話をします。

新人さんが入社し、その会社で教えるのが一番上手い人が動画に出演し、その人のやり方の順番で新しいことを学んでいく。こういうことが出来るようになります。そうすると各拠点の教える人が上手い下手関係なしに、人を育てていくことが出来ます。こんなことが出来ます。

レポートと言うのは現場から動画を送り返す、まさに双方向ですね、それを見て他の拠点で新たな知が生まれるというこういう使い方や、その拠点に行かなくてもリモートでチェックしてあげる、アドバイスしてあげる、こんな使い方もありますよ、と。これを色んな形でもって高度に出し分けが出来ます。使用用途としては教育にも使えますし、ノウハウ収集、まさにSECIモデルを回していく、物理的に行かなくてもサポート出来る。リモートマネージメントはこんな使い方もあります。ということで、様々な使用方法がありますという話です。

実際、導入企業様は約15000店舗、41万人の方にご利用いただいています。飲食をはじめ、生活サービス、小売、介護などなど身体動作が伴うものですね、まさに野中先生がおっしゃるところの紙に落としても伝わらないという点です。

身体動作で、共感で「なるほどそうか」「そうやるのか」「それいいですね」と、このようにしっかりと伝わるような世界でご活用いただいているのが「ClipLine」です。

 

活用事例 アルテサロンホールディングス「Choki Peta」様

具体事例をご紹介します。株式会社C&P様、ヘアサロンの企業様です。
特徴は伸びきった髪を切って元に戻すというよりは「メンテナスサロン」という言い方で展開をされているお店です。日々綺麗を保ち、リーズナブルに使っていただけるサロンが必要だということで、非常に低価格で運営をしているサロンです。

非常にユニークなビジネスですが、普通はヘアサロンというとスタイリストさんの個性で商売していくことが多いなか、こちらのお店はメンテナスであり、必要なのはスタイリストさんの個性よりも、そのお客様がしっかりと綺麗をキープするための技術であると。つまり標準化されるべきもの、というのが1つの特徴です。

もう1つは働いている方は休眠美容師という言い方をしており、以前ヘアサロンで働いていたが、ご結婚されたりご出産され、それぞれのライフイベントによって一度最前線から離れた方が復帰して働く。そういった形で従業員の方を形作っているという点です。

リーズナブルなモデルなので指名とか予約はなしで、来た方を順番に髪の毛を切っていく、というビジネスです。そのなかで、お客様を不快にさせないようにしよう、と思うと標準化していくということが必要になる。ということで「ClipLine」を活用いただいております。

保護クリームの塗り方ですとか、こういった作業も含め、みなさん美容師さん経験者の方なので基本的なスキルというのはありますが、離れていた間に新しい技術って出てますし、新しい塗布材なども進化していますので、アップデートを行っています。

非常に面白いエピソードとしてまして、実際に何かのサービスを何分でやってください、という指示を出した、と。そうすると現場から反発があったらしいんですね。そんな時間でそれが出来るか、と。私の経験上それは5分かかる。3分でやるなんで無茶苦茶言ってるね、という話だったんですけれども「いやいや、できますよ。」と、本部の人がですね「こうやってやるんです」って3分でやる映像を見せたら「なるほどね。それなら出来るね」と言って皆さん出来るようになった。という話があってですね、なかなか伝わらないところも、こうやってやるんです、というのがちゃんと見えると「あぁ、それなら出来る」というのが結構あるのかな、と思います。

この様に技術のリモート研修をやっていただくというのが1つの使い道であり、その他、店舗の設備が古くなり汚くなってくると、お客様からすると不快に思うところもありますので、日々チェックし、どういうところでお困り事がないかというのを見る、と。まさに現場と経営の距離間という話でいくと現場をちゃんと見るというのをこういった形でやっていらっしゃるというのがC&P様の特徴です。

PB商材のお客様提案力強化/社内コミュニケーションでの活用

その他にプライベートブランドという、自社独自の商材を非常に良い物を安い価格で作っていらっしゃいます。それゆえに、しっかりこれを売っていくと皆さん喜んで買っていただけるということで、お客様に認知していただこう、という活動です。施術したお客様に「すごく良くなりましたね」とか、声をかけて、お客様にしっかりと価値を訴求していくということです。なかなかお店でシャンプー売ってください、というと美容師の方からすると「お客様に押し売りしているみたいだな」と思う方もいらっしゃるのですが、そうではなく「こういうコミュニケーションをお客様と行って欲しい。商品を売るのではなく、お客様にちゃんと価値を伝えて欲しい」と「こういうものをうちは売ってますよ。家でも綺麗って維持できるんですよ」とこういうことを知って欲しい、と伝えられると「なるほど、そうか」と思ってやっていただけるという話です。

例えば部門表彰で、吉村社長ご自身が出演され表彰式を映像の中でやっています。この様に現場と経営の距離を縮めるというのを日々行っているのがC&P様です。

結果的に、コロナになった時にお客様も一時減少しました。美容業界は外出するために美容師に切ってもらうのであり、家にいるのであれば切ってもらわなくていいじゃん、白髪染めしなくていいじゃん、そういう風になるんじゃないか、という懸念をお持ちでした。しかし、蓋を開けてみればコロナの中でも業績は、むしろ売上は最高潮ということで、それもですね、特に先ほどご覧いただいた物販など含め、お客様に高付加価値を認知いただき、それがちゃんと数字にもはねかえっている。好循環になっている、というのがC&P様の事例です。

フィットネスジム企業:取り組みの目的と成果

もう1つフィットネス企業様の例をご紹介したいと思います。こちらの企業様は導入の背景として、フィットネスジム業界は一般的にエンドユーザーに対し、マシーンを使ってやるものなので差別化が難しいといわれています。

それゆえに、人と人のインタフェースをしっかり磨いて、そこでしっかり違いを出して行きたいとのことで「ClipLine」を導入いただきました。

規模が小さければ目が届いても、だんだん会社が大きくなっていくと目が届きにくくなる問題や、そのうち新店と既存店で環境が違ってきたり、設備が違ってきたりすると話がだんだんバラバラになってくる、という問題があります。

そもそも働く人はシフト制なので集合研修やろうと思っても、一カ所に同じ時間に集めようとするとこれがなかなか難しい、という話があり「ClipLine」で行いました。

結果90%の方が「品質があがって業務の効率があがったね」と感じていただき、教える側も「時間が減りました」となりました。

この2つが結構重要だと思っており、見学ツアーを行っていらっしゃいますが、その入会率が非常にあがりました、という話です。

これはビジネス効率として非常に大きな話で、こういう結果を生んでおり、退会される方が減り、Googleのレビューの星が3.9から4.6にあがりました。

これが非常にすごい話で、過去のレビューが減るわけでなく上に積み重ねていきレビュー評価が4.6まで上げていくって、それだけ高評価の方が沢山いないとそうならないですね。

 

まとめと当社サービス紹介

最後に、まとめと当社のサービス紹介をいたします。

こちらは「サービスプロフィットチェーン」と言い、我々のサービスの根幹をなす概念です。話は簡単で、人に投資してロイヤリティを高めれば、生産性が高まり、サービス品質、スキル、満足度もあがり、良い循環が生まれます。良い循環が生まれ、それがまたお客様が受け取るサービス品質として上がります。

サービス品質が上がれば、当然お客様の満足も上がり、お客様のロイヤリティも上がります。

お客様のロイヤリティが上がれば、最後はもちろん、ちゃんとビジネスが成立していれば売上や利益に繋がります。

これが人材の投資に繋がっていくと、良いループがずっと回る。当たり前といえば当たり前なんですが、なかなか難しいところかなと思います。これを画にしているのが「サービスプロフィットチェーン」です。

この中で我々の「ClipLine」は従業員の方の教育や、ロイヤリティをしっかり高めていく。「この会社で働いて良かったな」と思ってもらいながらスキルも上げていただく、それがお客様の受け取る価値に繋がる。このあたりを磨いていくためのマネジメントサービスが「ClipLine」ということになります。

ただ、提供している価値がお客様にちゃんと受け取っていただけたかどうか、あるいはお客様にちゃんと届いたかどうかを確かめる術として作ったのが「ClipLine サーベイ」です。「本当にそれ受け取れてますか?」ということを見ていくというものです。

受け取れていたとしてしても「それって本当に売上や利益に繋がったんですか?」というのが見えないと、今一つどこまで投資していいのかわからない、とこういうお話もあり、最近作ったのが「CLipLine CA」、先ほど申し上げたダッシュボードというものです。ちなみにこのCAの意味はPDCAのCAという話です。

多くの企業様でPlanしてDoしますが、Check、Actionせずに、またPlanしてDoする。

PDPDが割と多いのではないか、と思います。そこでCheck、Actionまで回しましょう、というサービスです。

経営と現場をつなぐ、ClipLine CA(仮称)

先ほど申し上げた「CLipLine CA(仮称)」というのは、それを提供するサービスです。内部データと外部のデータを例えばGoogleのレビューみたいなものも含め、全部くっつけて1つにする、それを可視化して何をやらなきゃいけないのかを見にいこう、という話です。

よくあるのが、こういった経営の数字ですと、スタッフの属性、レビューのデータ、外部リファレンスデータ、CLipLine活用データ、こういうものが、担当者が皆さん本社の違う部署だったりするんですね。それで、みんながそれぞれ現場に対して指示を出す。「これをやってください」と言う。それが受け取れないというのはさっきの砂時計の画でお話したとおりです。

ここを可視化するというのが目的なのです。色んな表が貼ってありますが、野中先生がおっしゃるところのオーバー・アナリシスを助長するところでは決してなくて、むしろ「今何をやらなくてはいけないのか?」というのを、同じものを見ながら一緒に考える、これが出来るようにするためツールということです。

共通言語を提供するのが「ClipLine CA(仮称)」の目的です。
失敗点の2つ目が伝言ゲームとピラミッドと砂時計という話をしましたが、
これを解消するのが「ClipLine」というツールです。 

暗黙知を動画型で形式知化:デジタルSECIモデルの構築で多拠点を強みに

野中先生に最初にこのモデルをお話した際「面白いね」と言っていただいたのは、暗黙知を表出化していく。この時に形式知化していく、ここはある意味、暗黙知が暗黙知のまま動画として共有される。そこでそれを見た時に「なるほど、じゃぁこういうやり方もあるね」というコンビネーションが生まれていくということです。

この形式化のところが暗黙知のまま情報の濃度を失わずに出来る、これは面白いね、ということでご評価いただいて、今、野中先生監修のもと書籍を出す準備をしております。

ClipLine サーベイについて

もう1つが「CLipLine サーベイ」という、お客様の声を集めて伝えていくというツールです。素早く展開する非常にリーズナブルなツールになっています。

1つの特徴としてリアルタイムに、本部にも現場のマネージャーにも現場の方にも届けることが出来るというサービスです。

よくあるのが、アンケート会社さんがまとめて1カ月たったらそれを集計して、2,3週間後にその集計結果を教えてくれると。それを経営が受け取って2,3週間後に現場に伝える。そうすると集めてから2カ月、3カ月たった情報になってしまいます。

それだと現場も心当たりがなくてわらない。「それいつの話ですか?そのスタッフもういませんけど」となると改善がいつまでも進まない。

そうではなく、今きたお客様。今帰って、歩いている、あの方がこれに対して不満を持っていると。この受け答えに対してすごく感動していたよ、こういうものが伝わるとリアルにPDCAが回るという話です。

変革の山登りで目指すのは組織機動力

いきなり構造改革、わが社構造改革だ、とやると失敗するという話ですが、目指すのは構造改革して終わりではなく、それはピンチの時に機動的に構造改革して、ピンチがむしろチャンスに変わっていく、そういう組織作りかなと思っています。

ただ、それに行こうと思うと、1つ目、急がば回れじゃないですが、入り口でコケずにクイックヒットを打つことがまず大事じゃないかなと思います。

この話に関しては、先程の繰り返しですが「3割が成功で7割が失敗するよ」と、こういう話からすると、なかなか難しく聞こえるのですが、ただ山の登り方に正解というのは存在しているんじゃないと思っています。

この表は2000年を起点として、日経225の平均とS&P500の平均と、PEとありますが、プライベート・エクイティ・ファンドが買収した会社の企業価値の伸び率を表したもので、途中リーマン・ショックもありしたが、明らかに差が出てると言えます。

私自身、今はCLipLineですが前職ではコンサルティングファームにいました。色んな企業様の支援をしてきましたが、こういったプライベート・エクイティ・ファンドが入られているケースも沢山見てきました。そこで思うのが、この上にぐっと伸びているグラフ、これってお金を入れてもらったからグーンと伸びているかというと、そこじゃないな、と思っています。

それよりも、現場と経営のマネジメントサイクル、つまり「何をどうやっていきましょうか」それを「やれたのか」「やれなかったのか」「なんでなのか」、アカウンタビリティ、つまり説明責任ですが、やれなかったとしたら何でなのか、それを真摯に追及して「じゃぁ次、やれるためには何をどう変えていきしょうか」こういうPDCAをしっかり回していくことや、課題解決のシーケンス、要は順番付けですよね、ABCとやらなきゃいけないことが沢山ある。全部やって全部コケるのではなく、何を順番にどうクリアしていくとどういう良い事が起こるのか。これをしっかりと腹落ちさせていく。ある意味ノウハウみたいなものをしっかりと取り入れて、外からの力を上手く取り入れて活用して会社を磨いていく。こういう発想が重要なのかなと思っています。

つまり登り方はあるんです。確率3割って言うとやる気を失いますが、ただそれを上げていく方法ってあるんじゃないかな、と思います。

変革を山登りに例えると、必要なのは「登り方を知っているシェルパ」と「今どこにいるのかが正確に分かるコンパス」です。我々はこういったことを専門にやっているチームが何十人もいます。少なくとも色んな成功の道、失敗の道、ここ登ると崖から落ちます、というのが少なくとも見えるので、そこを思考錯誤するよりはそういった外部のリソースを上手く使うというのは、別に我々に限らずですが、1つの着想のポイントです。

もう1つは右側、「CLipLine CA(仮称)」や「CLipLine サーベイ」は、まさにそう言った「今どこにいるんだ。次の一歩は北に向かって動き出すのか、南に向うべきなのか」「この崖は下るべきなのか、登るべきなのか」こういったことを見定めるための道しるべとして使っていただくのも1つの考え方かな、と思います。

当社サービス導入企業様の取り組み成果事例

そして、我々仮に自慢したいことがあるとすると、色んな会社で使ってもらってます、ということより、成果をちゃんと出してます、という話です。

例えば教育であれば「新人の教育時間が3割減りましたよ」ですとか「お客様の満足度がぐっと上がりました」ですとか、「実行」って書いてあるところで言うと「重点商品の販売が前年比で160%に成長しています」とかですね、そういった具体的な数字で語れる成果というものを出しているというのが、我々の売りといいますか、特徴だと思っています。

これはたまたま出たのではなくて、みんな狙ってやったものなので、その狙い方についてはノウハウがあると思っています。もしご興味があればご相談いただければと思います。

ワンストップでご支援するというのが1つ我々の売りです。ITサービス会社にあるまじき人をしっかりくっつけてやります、というのが1つの特徴なので、宣伝になりますが、ご興味いただければお声がけいただきたいと思います。

以上でございます。ご清聴ありがとうございました。