研修に取り入れるべき「接遇マナー」の向上が企業にもたらす3つのメリット
みなさんの会社ではどのような研修を取り入れていますか?
研修といっても様々な研修の種類があります。その中でも「接遇研修」という研修があります。
この記事では、そんな「接遇研修」が企業にもたらす3つのポイントをご紹介します。
目次[非表示]
企業の研修項目に必要な接遇マナーとは?
「コミュニケーション研修」「リーダーシップ研修」「プレゼンテーション研修」「ハラスメント防止研修」「タイムマネジメント研修」などの研修を、多くの企業が実施しています。
そんな中、今注目を浴びているのが「接遇研修」です。
モノからコトへと消費者のニーズが移り変わり、同じ商品でも「誰から購入するか」が非常に大きな判断基準となりつつあります。同時に、商品の付加価値や企業のブランドイメージなども重要視され、いかに人の心をつかむ営業活動や広報を行うかが大切になってきました。「何を買うか」より「誰から買うか」を大切にする顧客が増えており、顧客の心をつかむためには、これまでとは異なったアプローチが必要です。
この「顧客=人の心をつかむ」ためのふるまいこそ、接遇マナーです。接遇研修は、その接遇マナーを学ぶべく、これからの時代の企業に必須と言えるでしょう。
接遇とは?接客との違いは?
そもそも「接遇」とはどのような意味の言葉なのでしょうか。接遇と似た言葉に「接客」が挙げられます。接客マナーに関しては、サービス業をはじめとする多くの企業や店舗ですでに導入されています。
接客とは、「お客様を接待すること」を意味します。接客マナーや接客スキルとは、お客様にいかに気持ちよく購入していただくことが出来るかという販売員の技術のことです。言葉遣いや礼儀作法、笑顔や発声方法などがこれにあたります。
対して接遇とは、「接するすべての人をもてなすこと」という意味です。お客様はもちろん、共に働く上司や部下、取引先企業や下請け業者、さらには家族や友人といった、周囲のすべての人に対するおもてなしの心が接遇です。
もてなすためには、単なる接客スキルだけでなく、気遣いや相手に寄り添う姿勢が必要となります。つまり、接遇とはより広い意味での人の行動や心がけを指す言葉であり、接客は接遇のうちの1つの要素といってもいいかもしれません。
接遇研修と言っても、内容は様々です。接遇の基礎知識・身だしなみや礼儀作法・ビジネスマナー・顧客心理・コミュニケーションスキルといったいろんな要素から、業種や業態によって必要なものを学んでいくこととなります。
接遇研修を行うことで、お客様に対してはもちろん、すべての対人スキルが向上します。接遇研修を行うことで期待できる企業のメリットをいくつかご紹介します。
接遇研修のメリット① 会社のブランドやイメージが向上する
会社の受付や電話での対応などが、直接お客様に接するスタッフが礼儀正しく好印象であることは、もはや企業として当然のこととなってきました。そこから一歩抜け出して「あの会社はとても印象が良い」と思っていただくには、接客スタッフ以外のすべてのスタッフの言動が非常に重要です。
ホスピタリティが素晴らしいと、メディアで取り上げられるきっかけになったり、最近ではSNSで話題になることも起こりえます。
例えばディズニーランドは、キャストが皆ホスピタリティに溢れ、夢の国へ来た来場者を楽しませることで有名です。書籍にも、インターネット上にも心温まるエピソードがたくさん存在します。これらはすべて、キャストたちのおもてなしの心から生まれた結果です。
また任天堂株式会社も、「子供が手紙を送ったらゲームの世界観を守りながらお返事をくれた」「修理を頼んだら、貼っていたシールまで綺麗に張り替えて思い出を残したまま送ってくれた」といった逸話が多くあります。
最近では、カゴメ株式会社が就活生への不採用通知に、「今後ともよろしくお願いいたします」とひとこと添え、合わせて自社製品を送ったことが話題となりました。
接遇を学び、期待を超えたおもてなしが出来たとき、人に感動を与えることが出来るようになります。
接客スタッフだけでなく、「すれ違った事務員がとても良い挨拶をしてくれた」「清掃係が非常に嬉しい気遣いをしてくれた」など、全社員に接遇の心が育ち、行動に表すことで、企業イメージは飛躍的に向上します。
接遇研修のメリット② クレームが軽減する
クレームが発生した場合、企業にとって大切なのはその対応です。すぐにきちんと対応できれば大きな問題にもならず、お客様満足度も維持することが可能です。ところが、多くの人はクレーム対応に苦手意識があり、上手に対応出来る人は限られています。
『消費者行動に関する実態調査』によると、クレーム対応に関して多くの不満があることが分かります。
クレームは企業にとってピンチであると同時にチャンスでもあります。謝罪をしたうえで適切な対応が出来れば、信頼を取り返すことが出来ますし、逆にファンになってくれる可能性もあります。そういった機会を、人の対応の違いで逃しているとすれば、それは大きな損失です。接遇を学ぶことで、クレーム対応時に相手に寄り添い、誠実な対処を行うことが出来るようになるはずです。
接遇研修のメリット③ 社内の人間関係が円滑になる
上司や部下・同僚をはじめ、社内のすべての人に対する思いやりを持つことで、コミュニケーションが上手くいくようになり、人間関係が円滑になります。
社内の人間関係は仕事の基本です。業務の効率化や社員のモチベーションにとっても重要で、社内の雰囲気はできれば良くあってほしいと誰もが思っていることでしょう。
ところが実際には人間関係に悩む人は大変たくさんいて、2019年の調査でも「仕事を辞めたい理由ランキング」でも4位となっています。人間関係の悪化は、人材確保の観点からも大変な損失です。
接遇研修で人に対しての思いやりを学ぶことで、この人間関係の改善が期待されます。相手の状況や考えを尊重し、今までより一歩踏み込んだ気遣いが出来れば、質の高いコミュニケーションを取ることが可能になります。特にリーダーや管理職という立場の方こそ、接遇研修を受け、マネジメント能力を高めることが必要なのではないでしょうか。
接遇についてのまとめ
対人関係の基本である接遇は、企業にとっても社会人にとっても大変重要なスキルです。そして今後、より一層求められるスキルでもあります。
各個人のプライベートにも良い影響を与えることが予想されるため、誰しもが学んでおいて損のない内容となっています。
お客様に選ばれる企業であり続けるためにも、受けるべき研修のひとつであると言えるでしょう。
ここまで接遇マナーの向上がもたらすメリットについてご紹介してきました。
ABILI Clipは、短尺動画を活用し、教育研修のデジタル化を実現する仕組みを提供するサービスです。習熟度に合わせたカリキュラム設定でe-ラーニングを実現でき、双方向のコミュニケーションでオペレーションの落とし込みを確実に行い、質の高い研修と組織マネジメントが実現できます。さまざまな業種・業界の企業での導入実績も多数あるため、教育研修のためにぜひ活用をご検討ください。