catch-img

本部の指示が店舗にうまく伝達できない理由とは?

多店舗展開をするうえでネックとなることのひとつに、本部から業務指示を出しても店舗側で100%の理解・実行がされないことが挙げられます。今回は、こうした本部からの業務指示が店舗に正しく伝わらない原因と対策について考えていきましょう。

目次[非表示]

  1. 1.本部の業務指示が店舗に伝わらないとどうなる?
  2. 2.本部の業務指示が店舗に伝わらない4つの理由
  3. 3.本部と店舗スタッフのコミュニケーションのあり方を見直す
  4. 4.本部と店舗のコミュニケーションを円滑化する

本部の業務指示が店舗に伝わらないとどうなる?

デジタルの進化によってさまざまなコミュニケーションツールが誕生しましたが、それでも本部からの業務指示が正しく店舗側へ伝達できないという問題は解決できていません。この問題が解決できないと、例えば次に示すように、新たなビジネス展開についての情報が共有されずに、経営に悪影響を与えてしまう可能性があります。

・新商品に関しての情報が見落とされ、販売促進が行われない
・販売戦略推進の指示が伝わらず、各店舗がバラバラに販促している
・販促施策について、店舗からの実施完了確認が上がってこない

その場合、当然ながら、どちらに責任の所在があるかという議論が起こります。そして、たいていは店舗スタッフの理解力やスキル不足、さらにはやる気がないといった精神論で片付けられてしまいます。その結果、本部は店舗スタッフの再教育や企業理念の周知徹底といった結論を出すことになりがちです。
ですが、本当にそうなのでしょうか?実は、本部からの業務指示が店舗側にうまく伝わらないのは、本部側に改善ポイントがある場合も多いのです。

本部の業務指示が店舗に伝わらない4つの理由

ここでは、代表的な4つの理由について考えてみます。

1. 従業員が持つさまざまなキャリアや価値観への配慮や対応が不足している

多店舗展開企業の傘下にある店舗には、さまざまなキャリアを持つスタッフが働いています。働き始めて日の浅いスタッフもいれば、たどたどしい日本語を話す留学生のアルバイトもいます。このようにさまざまなバックボーンや価値観を持つスタッフが、社内用語ばかりの業務指示書、業界内では通じるが一般的ではない略語や専門用語だらけの業務指示書を見て、理解を行うことは非常に難しいものです。現場で働く従業員一人一人のニーズを掴みきれていないことにより、各店舗に正しく伝わらないというケースも結構見られます。

2. 情報量が多すぎてインプットしきれない

一般的に、不景気になると本部から店舗への業務指示が増えます。これは、急激な市場の変化に対応すべく、本部の経営戦略が日々変化するからです。しかし業務指示の通達が増えれば、その分店舗側はすべての業務指示を把握することが困難になります。その結果、重要な情報を見逃してしまうことになるのです。

3. 店舗には、複数の部署からさまざまな情報が入ってくる

店舗には、本部の各部署からさまざまな情報が五月雨式に流れてきます。しかも、指示のタイミングも、現場である店舗の都合などまったくお構いなし。これでは、店舗側も計画を立てたり、オペレーションの変更を行ったりするのが難しくなります。

4. 店舗スタッフ個々人の資質にはバラつきがあることを理解していない

多店舗展開企業の本部で働く社員のほとんどは、店舗での業務経験を経て本部の担当として店舗を動かす立場になります。そのせいか、誰もが自分と同じモチベーションを持っていると思い込んでしまうところがあります。しかし、必ずしもすべての店舗スタッフが、本部の社員と同じモチベーションやスキルを持っているとは限りません。これが、店舗スタッフにはやる気がないと本部担当者には見えてしまうのです。

こうした理由が複合的に組み合わさり、本部からの業務指示が各店舗に伝達されなくなるのです。

本部と店舗スタッフのコミュニケーションのあり方を見直す

前述した4つの理由、よく見ると本部担当者と店長、店舗スタッフのコミュニケーションが円滑に行われていれば解決できそうなものばかりです。それでは、具体的にどのような対策を取れば、本部と店舗スタッフとのコミュニケーションが円滑になるのでしょうか。

IT活用で組織内のコミュニケーションの流れを変える

本部が発信する業務指示や情報をリモートで共有し、どの店舗のどんなスタッフでも、簡単でスピーディーにアクセスできる情報共有スペースを構築することで、組織内のコミュニケーションの流れを変えることができます。そのひとつが、クラウドとタブレット端末を活用した仕組みです。

これは、例えばクラウドに本部からの業務指示や必要な情報などを集約し、タブレット端末で店舗スタッフがいつでも閲覧できるようにするというものです。こうすれば、本部からのあらゆる情報を店舗スタッフにダイレクトに伝えることができるようになります。しかも、この仕組みならば、閲覧記録から全スタッフに伝達できたかどうかの確認も容易です。

また、各店舗に実施してほしい業務をクラウド上にToDoとして作成すれば、その達成率や店舗スタッフ一人ひとりの業務習熟度も把握できますし、店舗側から本部へのフィードバックも行えます。つまり、情報伝達を阻害する組織内のコミュニケーションの流れを変えるとともに、店舗業務の見える化も実現するというわけです。

動画を活用して、文字だけでは分からない情報を伝える

本部と店舗間のコミュニケーション手段は、距離的な制約から、どうしても文字や言葉、写真といった静的情報が中心となります。しかし、調理の手順や接客などのように、オペレーションの現場には静的情報だけでは細部が伝わらない業務が多々あります。

そのような場合には、動画も活用してみましょう。例えば、キャンペーンメニューの作り方の材料の準備から盛り付けまで一連の動作を動画にすれば、店舗スタッフは顧客が少ないときにひとりでも学習できます。一方、店舗スタッフがそのキャンペーンメニューを作っている様子を動画にして本部にフィードバックすれば、本部は改善点を見つけることができ、適切な指導が可能となるでしょう。

本部と店舗のコミュニケーションを円滑化する

サービス業に多い多店舗展開ビジネスは、近年になってますます多様化・複雑化しています。そして、連動するかのように、本部からの業務指示や情報伝達の量も増加の一途をたどっています。この状況は、これまで以上に本部と店舗のコミュニケーションを阻害することになり、ビジネスチャンスの損失やオペレーションの不備の原因ともなりかねません。そうなると、やがては顧客満足度の低下、ひいては従業員満足度の低下となり、経営悪化につながっていくでしょう。

そうならないためにも、組織内におけるコミュニケーションのあり方を見直すことは必須です。本部と店舗スタッフとのコミュニケーションが円滑化する仕組みがあって初めて、本部からの業務指示が正しく伝わるようになるのです。今はITを活用したさまざまなコミュニケーションツールがあります。そうしたツールを活用して、厳しさを増す多店舗展開ビジネス業界を生き抜く仕組みを手に入れましょう。

ここまで本部と店舗の情報伝達についてご紹介してきました。

ABILI Clipは、短尺動画を活用し、教育研修のデジタル化を実現する仕組みを提供するサービスです。習熟度に合わせたカリキュラム設定でe-ラーニングを実現でき、双方向のコミュニケーションでオペレーションの落とし込みを確実に行い、質の高い研修と組織マネジメントが実現できます。さまざまな業種・業界の企業での導入実績も多数あるため、教育研修のためにぜひ活用をご検討ください。

ABILI Clip紹介・導入企業の活用事例はこちら

ABILIは、サービス業が抱える経営課題の可視化から解決策の実行まで実現する
「サービステック」と、成果を創出するための「実行支援」
を提供するソリューションです。
サービス業、なかでも多拠点に展開されている企業様を中心に、
現在60万人以上の方々にご活用いただいています。

サービス詳細や導入事例はこちら
お問い合わせはこちら
バナーを閉じる
ポップアップバナー_1

人気記事ランキング

タグ一覧

プライバシーマーク
ClipLineは「プライバシーマーク」
使用許諾業者として認定されています。