SOMPOケア株式会社様
海外人材育成事例

「即戦力の介護人材の育成」を実現。SOMPOケアが
インドで実践する、文化の壁を越える仕組みの全貌

  • 課題
    海外人材の早期戦力化とミスマッチ防止
  • 取り組み
    インドの現地教育とデジタルラーニングを組み合わせた教育スキームの構築
  • 効果
    日本到着直後からの高いパフォーマンスと定着への手応え

<インタビュイー>
SOMPOケア株式会社
ウェルビーイング事業部 海外事業室
シニアリーダー 本多 一成様

SOMPOケア様は、インドの人材を対象とした独自のトレーニングセンターをインドパートナー企業と設立し、既に第3期生までが現地研修を修了しています。

日本入国までに一定期間を要する特定技能のスキームの中で、「日本で介護士として長く活躍できる人材」を育成するために、同社はオンライン研修、eラーニング(ABILI Clip)、現地での実技研修を組み合わせた教育モデルを構築しています。

同社の取り組みについて、インド事前教育プロジェクトのリーダーを務める本多様に聞きました。

課題:「想像と現実のギャップ」をゼロに。即戦力として活躍するための渡航前教育

日本の介護業界が深刻な人材不足に直面する中、多くの事業者が外国人材の受け入れを進めています。しかし、文化や働き方の違いからミスマッチが生じ、早期離職につながるケースも少なくありません。この課題に対し、SOMPOケア様はインドにトレーニングセンターをインドパートナー企業と設立し、渡航前の段階から質の高い教育を提供するという先進的な取り組みを開始しました。

本多様によると、渡航前教育の段階から日本の介護の実像をできる限り伝える必要性を強く認識していたと言います。

「日本の介護現場で働いている外国人材や、他社で受け入れられていたインド人材へのヒアリングを通じて、『想像していた仕事と違った』というギャップが原因で帰国に至るケースが少なからずあることが分かっていました。これをなくすためには、来日前からの丁寧な教育が必須だと考えていました」

そこで、同社はデジタルツールと対面研修を融合させた独自の教育プログラムを構築しました。

人材の選考にあたり、 重視しているポイントは大きく3つあり、日本への関心と日本語学習への意欲が強いこと、介護士として日本で長く働きたいという長期的な意志があること、現地の看護系資格や経験などを重視しているそうです。意欲、基礎的な知識と経験を有していることで、日本の介護現場への適応もスムーズに進むことが期待されます。

活用:効率と「腹落ち」を両立した三段構えの教育スキーム

インドでの事前教育は、「オンライン研修」「eラーニング(ABILI Clip)」「現地での実技研修」という3種類で構成されています。それぞれの特徴と役割を明確にし、互いの弱点を補完し合う設計となっている点が特徴です。

▲デジタルと対面を融合させた教育スキーム

オンライン研修は、日本とインドという距離を越えて、ライブ感のある教育を提供できる利点があります。eラーニング(ABILI Clip)は本人のペースに合わせて何度でも繰り返し見ることができ、習熟度を高める上で大きな役割を果たします。そして、プログラムの最後には、日本の専門トレーナーが現地に赴き、オンサイトでの実技研修を行い、深い理解と技術の定着を促します。

また、ABILI Clipのテスト・アンケート機能もフル活用し、動画を見て終わり、あるいは教えて終わりにするのではなく、個別の理解度まで確認するようにしています。

本多様は、技術指導に加えて、ミスマッチ防止のためのコンテンツを多数用意していると話します。

「インドでは『介護』という概念がまだ確立しておらず、家族が担うものという考え方が根強く残っています。仕事の進め方も、専門業務を分担するワークシェアリングが主流であり、清掃などを含む多様な業務を一人でこなす日本のマルチタスク型の働き方とは大きく異なります。清掃を自分でやったことがない研修生もいます。こうした文化的背景の違いを埋めるためのコンテンツが必要です」

清掃のような業務は、その目的や意義を伝えることで研修生の理解を促します。「彼らがそれを好きじゃないとか、やりたくないというわけではなくて、なぜやるのか、どうやるのかを知っているか知らないかなんですね。なぜやるのかを丁寧に説明し本人たちが納得してもらえれば、本当にしっかりとやってくれます」と本多様は語り、双方の文化を尊重したうえでの細心の教育の重要性を強調しました。

▲来日前に日本の文化や習慣などについて学んでおく

さらに、SOMPOケア様が重視している『人間尊重』や『自立支援』の考え方も伝えていかなければなりません。何でもやってあげることが良いのではなく、ご本人様の能力を活かしながらする介護について、渡航前から丁寧に伝えているといいます。

そういった取り組みの結果として、日本の受け入れ施設からは技術的なことはもちろん、「挨拶がしっかりしている」「接遇が良い」といった評価が寄せられており、日常のコミュニケーションや仕事への向き合い方などを伝えるコンテンツの効果が現場で確認されつつあります。

▲シーンごとの動作や声かけの仕方などを具体的に学ぶ

効果:ミスマッチなく即戦力を育成。来日直後から自信を持って活躍できる理由

現在、6名の人材がインドのトレーニングセンターを経て来日し、介護現場で活躍しています。

入社後の研修を行う際、インドで事前教育を受けた人材は、実技演習の場面で「誰かやりますか」と講師が問いかけると、「私がやります」と率先して手を挙げる様子が見られるなど、主体性と自信を感じさせる行動が目立つといいます。

本多様は、事前教育の効果として「事前に教育を受けているので、日本で働き始める時の準備が十分に整っていますし、いわゆる即戦力としてのパフォーマンスを発揮できます」と評価しています。また、受け入れ施設側からも、ご利用者に対する接遇や挨拶といった面で高い評価が寄せられており、現時点では大きなミスマッチは見られないとのことです。

SOMPOケア様では、今まさにこの初期メンバーの活躍をもとに、「どのコンテンツが特に効果的だったのか」「どの部分をさらに強化すべきか」という検証を進めています。コミュニケーションやマナーに関する動画コンテンツが特に役立っているという実感があり、今後のブラッシュアップの重要な手がかりとなっています。

▲スキマ時間を使って、自分のペースで繰り返し学習可能

今後の展望:教育を個別最適化し、インド人材がリーダーを目指せる未来へ

今後の目標として本多様は「学習データを細かく分析し、個々の状況に応じて今必要なコンテンツを自動的にセレクトし提示できるような教育モデルを目指したい」と展望を語ります。

こうした取り組みを重ねることで、インド人材が日本で長くキャリアを築き、将来的には現場リーダーや管理者を目指せるようなキャリアビジョンやロールモデルを構築していく方針です。

本多様は、若い頃にオーストラリア・シドニーで外国人として介護現場に入り、ヘルパーとして働いた経験を持ちます。当時、自身は現地で外国人という扱いから管理者を目指すことができなかったと振り返りながら、「今度は自分がサポートする側として、日本で現場リーダーや管理者を目指す外国人人材を支えたい」と語ります。

SOMPOケア様は、まず自社内での受け入れと教育モデルの検証・改善を進めていますが、その先には明確な問題意識があります。日本全体で介護人材不足が深刻化する中で、「介護システムが崩壊しないように社会貢献したい」という思いから、将来的には、インドで育成した質の高い即戦力人材を、他の国内介護事業者でも活躍できる仕組みを目指しています。

将来的には国を問わず「渡航前から渡航後まで一気通貫した教育モデル」を構築し、海外人材が安心して日本の介護現場で活躍できる環境を整えていく構想です。

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