研修でモチベーションをアップ?若手のやる気を出させる研修・教育手法とは?
近年、様々な企業で重要視されている「モチベーション」ですが、会社の売上や経営に、大きな影響を及ぼす大切なものです。社員のモチベーションを上げるには、いくつかの方法がありますが、正しく理解していなければ対策することができません。人事や経営者の皆様のために、モチベーションについて詳しく解説し、解決案をご紹介していきます。
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モチベーションとは?研修で高めるべき「ワークモチベーション」を解説
モチベーションとは、簡単に表現してしまうと「やる気」です。
英語ではmotivationと書き、日本語は直訳で「動機」となります。モチベーションは、ビジネスだけでなく、スポーツやカウンセリングの分野でも多く用いられる用語です。一般的に、ビジネス用語では、モチベーションは「動機づけ」と解釈されています。また、近年では仕事に対するモチベーションは「ワークモチベーション」とも呼ばれ、その重要度は、研究の課題にもなっているほどです。
ワークモチベーションは以下の3次元から構成されています。
①方向性(こうなりたい、やってみよう)
目標を決め、なぜ、どのように成し遂げるのかの明確性
②強度(こうなるためには、もっと頑張ろう)
目標の実現に向けた、努力や意識の高さ
③持続性(最後まで取り組み続けよう、次も頑張ろう)
目標を追求、実現するために費やされる時間の長さや、継続性
様々な提唱がされているモチベーションですが、ビジネスに直接関係している「ワークモチベーション」についての理解が、業務や若手のモチベーションアップに繋がる鍵となる、一番の近道となります。
モチベーションの高低差は、仕事に与える影響がとても大きく、人事だけでなく自分自身にも繋がることなので、しっかりとモチベーションについて理解をしておくことが大切です。このような仕事に関するワークモチベーションは研修などの取り組みによって高めることで企業の人材の有用性が高まっていくものです。
従業員のモチベーションが低い理由!やる気をだすメカニズムとトレーニング方法
従業員のモチベーションが低いのはなぜなのか?問題が起きている企業の中では、永遠の課題だと思います。
モチベーションが低くなる理由は、掘り下げてみていくと人によって様々ですが、ここでは、理論に基づいてモチベーションが低くなってしまう心理・メカニズムを紐解いていきます。
〈マズローの欲求5段階説〉
「マズローの欲求5段階説」とは、アメリカの心理学者である、アブハム・マズローが提唱した理論です。マズローは、人間心理学の生みの親とも言われています。
マズローの欲求5段階説を紐解く上で大切なことは、欲求が5種類あるのではなく、欲求は”5段階に進む”という正しい理解をすることです。
例えば、「報酬を増やすから、もっと頑張ってくれ」と上司から言われたとします。その時には、「安全欲求」を満たすことから頑張ることができますが、高次欲求には繋がらず、一時的なものになってしまいます。これは、マズローから言わせれば”未成熟”なのです。
この理論から分かることは、「承認欲求」と「社会的欲求」が満たされないため、従業員のモチベーションが低下しているということです。
〈ハーズバーグの二要因理論〉
アメリカの臨床心理学社である、ハーズバーグが提唱した「ハーズバーグの二要因理論」。
「ハーズバーグの動機付け・衛生理論」とも言われています。
この図からもわかるように、二要因理論は、仕事に対して「満足」と感じる要因と「不満足」と感じる要因は、同じでは無いという考え方です。
どちらの要因も満たす必要はありますが、「衛生要因」だけを満たしても直接的なモチベーションアップには繋がりません。衛生要因は、マズローで言う「安全欲求」と「生理的欲求」に近く、普通は達成できているはずの当たり前のことだからです。
直接的にモチベーションに関わってくるのは、「動機づけ要因」です。従業員のモチベーションが低いのは、「動機づけ要因」が満たされていないから、ということも考えられます。
この2つの理論を紐解くことで、モチベーションに直接的に関わるのは「仕事そのもの」に関することが大きい、ということが分かりました。また、二要因理論の「動機づけ要因」が満たされていない原因として、「職務が充実していない」ことが挙げられています。
従業員のモチベーションが下がっているのは、職務に対しての比重が大きいということです。ある意味仕事に対して真剣に考えていたり、多くの時間を費やしているといえ、トレーニングによって逆にモチベーションを高めることができれば、大きなパフォーマスを発揮する人材育成が可能となるでしょう。つまり、トレーニング方法としては職務内容に対してどのくらい深く理解しているか?どのように人生に関わりがあるのかを正しく理解させることが重要です。
モチベーションアップトレーニングにおける評価・マネジメントのポイントとは
従業員のモチベーションをあげるには、4つのことをする必要があります。
内発的モチベーションを高める
モチベーションの良いサイクルを作り出す
- 必ずフィードバックをする
- 常に新たな目標の受容
上記項目について詳しく解説していきます。
1.内発的モチベーションを高める
まず、モチベーションのタイプについて理解することが大切です。
①内発的モチベーション:自分自身の心の中から湧いてくる感情。意欲や関心といった感情から行動する主体的なモチベーション。
②外発的モチベーション:外的な刺激によって行動が高まること。報酬や地位など。
この2つのタイプで重要なのが、「内発的モチベーション」です。自らの意思で行動するわけですから、内発的モチベーションを高めた方が良いというのは、明確です。一方で、「外発的モチベーション」は、一時的には効果的なのですが、長続きはしません。
2.モチベーションの良いサイクルを作り出す
あまり良い印象ではない外発的モチベーションですが、決して悪いことばかりではありません。うまく利用することで、それがきっかけとなり、内発的モチベーションに繋げることもできます。
上図のように良いサイクルを生み出すことが、個人のモチベーション向上・維持に繋がり、常に高いモチベーションを保つことができます。
では、内発的モチベーションを高めるためには、どのような対策をしたほうが良いのでしょうか?一番大切なのは、「目標の受容」です。仕事をする上で「目標」を定めることは、どんなに小さなことでも重要となってきます。その「目標」に対して、従業員一人一人が納得せずに働いていたらどうなるでしょうか?反発する者や、不満を抱えたままダラダラと仕事に取り組み、会社全体に負荷をかけてしまうことになるでしょう。
「目標の受容」を実現するためには、「従業員自身に目標を決めさせる」「上司や経営者が一緒になって目標を決める」、といった対策をとることです。また、目標は、”ギリギリで達成できる”ぐらいに設定した方が達成感が大きくなるため、より効果的になります。
3.必ずフィードバックをする
目標を達成した後には評価も含めて、必ず「フィードバック」することが大切です。フィードバックの際には、いくつか気をつけるべきことがあります。
個人のパーソナリティに合わせたフィードバックをする
気の弱さや強さも関係してくるので、個人に合わせたフィードバックをすることが大切です。
早めのフィードバックを行う
フィードバックがあまり遅くなってしまうと、逆効果になってしまいます。
信頼関係を築いた上で、フィードバックを行う
信頼のある上司や経営者からのフィードバックほど、効果的です。
4.常に新たな目標の受容
目標を達成すると、モチベーションは終息してしまいます。そのため、常に新たな目標を決めることが大切です。
モチベーションをあげる研修・教育手法-7つの習慣とは何か?
どこの企業や会社も、従業員のモチベーションを上げるために様々な研修を行っています。その中でも、事業の中心が「人材育成」であるリクルートマネジメントソリューソンズが、実際に行っている「7つの習慣」という研修を紹介します。
〈7つの習慣とは〉
1.主体的である
- 率先して自発的に行動すること
- 自分で選択した人生の責任を引き受けること
「主体的である」とは、この2つの意味を持っています。
2.終わりを思い描くことから始める
人生の最後を思い描くことから、今日という一日を始めます。そうすることで、自分が大切にしたいものが明確になり、自分が目指すものを常に思い描くことができ、人生が誤った方向に進むことはありません。
3.最優先事項を優先する
マネジメントには、自分を律して実行することが必要です。具体的には物事を重要度と緊急度の2つに分け、それぞれをさらに高いのか低いのかで分けます。その中で「重要度が高く、緊急度が低い」事象をいかに行うかが重要です。
4.Win-Winを考える
すべての人間関係において、双方にとって、必ずメリットになる結果を見つけようとする考え方と姿勢です。
5.まず理解に徹し、そして理解される
大切なことは、相手を理解しようとし、相手の身になって聴くことです。
6.シナジーを創り出す
シナジーは経営や企業活動の相乗効果のことです。「自立」している個人が互いの違いを尊重することが、シナジーの本質と言われています。
7.刃を研ぐ
「あなた自身」の価値を維持し、高めていくために、肉体、精神、知性、社会・情緒の刃を研ぐということです。
この7つの習慣を、各会社や企業で取り入れ、それぞれに合った演習や映像を作成するなどアレンジすることで、若手にも管理職にも良い研修となります。
モチベーション(従業員満足度・ES)を改善した企業事例を紹介!
実際に「7つの習慣」でモチベーションを改善し、期待以上の成果を得た企業を紹介します。
日本郵便株式会社 近畿支社
2007年に郵政民営化が開始され、それまでひとつの組織であった日本郵政公社が、分割されてしまい、さらに「いかに収益をあげるか」というミッションまで課せられることに。思うように業績も上がらず、支社長が新たな方針を決めても各局の社員まで伝わらず、先が見えない状況に陥っていました。
そんな中、民間企業から転身してきた近畿支社長が、ビジネス誌で「7つの習慣」の特集記事を読み、研修に導入することを考案したのです。
そのことがきっかけとなり、74名のキーパーソンである部会長を選出し、「7つの習慣」の公開コースへ参加させる試みをしました。その結果、研修を受講した74名から意識や行動が変わり、業績ランキングが平均92位も向上するという驚くべき成果が出ました。社内でも「7つの習慣」のオフ会の開催や、部会長をメンバー全員が積極的にフォローするようになったりと、一人一人の意識まで変えてしまってるほど。
現在でも研修に参加させるクラスを副部長にまで広げたり、その改革は止まることがなく、常に良いサイクルが回っています。
モチベーションをアップさせる研修に必要なこと
若手だけでなく、従業員全員のモチベーションを上げるためには、管理職や経営者の意識の改革が必要です。そのためには、まずモチベーションについて正しい理解をすることが大切。具体的には、モチベーションアップのための研修を受講するか、あるいは企業のマネジメントシステムを変え、抜本的なモチベーションアップの仕組みづくりを行うことでしょう。抜本的なマネジメントシステムを変えるには投資は必要ですが、逆にモチベーションをあげることで従業員満足度一人一人のモチベーションは目に見える形で上がっていくはずです。
ここまで若手むけの研修・教育手法についてご紹介してきました。
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