【調査レポート】
離職経験者へのアンケート調査

生活密着型のサービスを提供する店舗や拠点などの現場では深刻な人手不足が喫緊の課題となっています。
外国人の採用拡大、ロボットやIT機器を活用した省人化施策が進められている一方、
最低賃金の大幅な引き上げなど、企業では更なる負担が求められています。

このような状況において、当事者となるサービス業従事者が本当に求める時給の金額や、時給以外に離職の原因となっている事象は何かを明らかにするため、サービス業に分類される(飲食、小売、運輸、介護)の離職経験者について、
非正規で勤務されていた方を対象に調査を実施しました。
※本ページでは一部抜粋してご紹介しています。
(※)・調査方法:アンケートサービス登録モニターを対象としたWebアンケート調査 
・調査期間:2023年7月28日~2023年8月1日・分析対象者数(回収票数):1,034

<働き方について>
Q.前職を選ぶ際に重視した点は何でしたか?(全体・属性別)

給与や待遇よりも通いやすさや自分の都合に合わせられることの方が上位となった。
<属性別>
学生:「給与・待遇」を重視する割合が高く
   「自分の都合に合わせて働けること」「長く働けること」は重視する割合が低い。
主婦/主夫:「自分の都合に合わせて働けること」「交通アクセス」を重視する割合が高い。
フリーター:「自分の都合に合わせて働けること」「交通アクセス」を重視する割合が低い。
シニア:「長く働けること」を重視する割合が高い。「給与・待遇」を重視する割合が低い。

<離職理由について>
Q.もっとも離職に影響した理由は何ですか。(全体・勤続期間別)

「仕事がきつかった」が最も多い結果となった。2位以降に「上司や同僚と気が合わない」「職場の雰囲気が良くない」など人間関係の理由があがっており、間接的に「きつい」と感じる遠因になっている可能性も考えられる(①)
なお、「生活の変化があった」「通勤が大変だった」「学業や生活との両立についての理解がなかった」という3項目については離職の判断をするにあたりコントロールが難しい項目と考えられるため、次ページ以降の分析対象者から除外している
(②)

また、勤続期間が短い人ほど「仕事がきつかった」と回答する割合が高くなっており、入社前のイメージとのギャップがあったり、なかなか仕事に慣れることができなかったなどの理由が考えられる。1年以上勤続している場合でも最も回答率の高い離職理由であり、自身の役割の変更や店舗の人手不足などで仕事の負荷が上がった場合、ベテランスタッフであっても離職の可能性となり得る。
反対に、「上司や同僚と気が合わなかった」など職場環境を理由とする離職は勤続期間が長いほど割合が高い。店長の異動や同僚の離職などにより自身の居心地が悪くなるとそれが離職のトリガーになる可能性がある。

<離職理由について>
離職した時、理由を正直に伝えましたか?(全体・離職理由別)

離職理由を正直に伝えているのは42%で半数に満たず、何も言わずに離職するケースも17%あるという結果になった。
「仕事がきつかった」「職場の雰囲気がよくなかった」のような回答と比較して「研修やサポートが不十分だった」「成長ややりがいが感じられなかった」のような回答の方が正直に伝える場合が多くなっている。

<時給について>
Q.実際の離職理由に関わらず、
もし時給が当時もらっていた金額より高かったら、離職しなかったと思いますか。

「6割は時給の水準によらず離職を選ぶが、残りの4割は条件によっては離職を踏みとどまった可能性があるという結果になった(図1)。
離職理由別に見ると、収入に関する理由の場合は割合が高くなっており、金銭面の条件次第で解消されるケースが高い
(図2-①)
次いで、やりがいを感じられない、希望する仕事内容ではない場合も金銭面の条件次第で離職を踏みとどまる可能性が高くなっている。これらは、満たされていることが望ましいが、無くてもある程度妥協できる条件と考えられる
(図2-②)
一方、店舗の人間関係、職場環境に関することは、金銭面の条件では離職を踏みとどまることが難しい
(図2-③)。離職理由としては最も高い「仕事がきつかった」よりも踏みとどまる可能性が低くなっており、人間関係・職場環環境の観点で信頼が失われると取り返すのは難しいと考えられる。

※離職防止の経済価値試算※

今回の調査で確認した離職理由のうち、以下の場合は職場改善で防げる可能性があると考えられる。これらを離職の主な理由として選択した人が、職場改善により離職せずに済んだと仮定すると、年間の離職者の約54%の離職を防げることになる。

まとめ

今回の調査では、特に離職理由と希望時給、また昇給により離職をどの程度防ぐことができるかという観点で結果を掘り下げて検証を行った。

離職理由については、勤続期間に関わらず「仕事がきつかった」という回答がトップであり、入社初期がもっとも仕事の負荷を感じやすい時期ではあるものの、ベテランであっても業務の種類や周囲の環境が変わることで離職の可能性となり得ることが示唆されている。「上司や同僚と気が合わなかった」など職場環境を理由とする離職は勤続期間が長いほど割合が高くなっており、店長の異動や同僚の離職などにより自身の居心地が悪くなるとそれが離職のトリガーになる可能性がある。

また、昇給と離職の関係性については、全体の6割は時給の水準によらず離職を選ぶが、残りの4割は昇給により離職を踏みとどまった可能性があることがわかった。収入に関する離職理由や、やりがいを感じられない、希望する仕事内容ではないという理由の場合も離職を踏みとどまる可能性が高いことがわかった。
一方、現場の人間関係や職場環境に起因する離職では、金銭面の条件では離職を踏みとどまることが難しいという結果が出た。離職理由としては最も多い「仕事がきつかった」よりも踏みとどまる可能性が低くなっており、人間関係・職場環環境の観点で信頼が失われると取り返すのは難しいことがわかる。

時給に関わらず辞める、という回答は6割ほどあり、企業は離職を防ぐために、従業員に過度な負荷がかからないような人員配置や業務配分、就労時に「きつい」と感じさせない工夫が必要と言える。

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