〜育児のスキマ時間で握り方を学習、未経験から3ヶ月で”板前”に〜
「自宅学習」に時給を支給し、現場の教育課題を解決。
「すし銚子丸」進める”強い新店作り”への新たな挑戦
あらゆる産業において「人手不足」が叫ばれる中、特に人の手によるサービスが提供価値を大きく左右する飲食・小売などの対人サービス業にとって、現場の働き手の提供価値・品質向上とそのための教育は今後も重要な要素となっていきます。
しかし現場の業務に追われ、指導や学習が十二分にできず、サービス品質、従業員の満足度が落ち、人手不足が加速していく
”負のスパイラル”に陥っていくサービスの現場は数多く存在します。
働き手が求める環境やニーズも変化するなかで、現場を救うための打ち手として、グルメ寿司チェーン「すし銚子丸」では、時給を支給する「自宅での事前研修」によって、教育コストの削減と研修効果の向上を実現しました。
”銚子丸劇場”を掲げる独自の店舗作りで人気を集める銚子丸の新たな挑戦が生み出したものとは?仕組み作りのポイントと現場の声を聞きました。
株式会社銚子丸が運営するグルメ寿司チェーン「すし銚子丸」は、88店舗(すし銚子丸82店 江戸前すし百萬石1店 すし銚子丸雅4店 銚子丸テイクアウト専門1店)を展開し、”銚子丸劇場”と銘打った独自の店舗作りと、鮮度の高いネタの提供で人気を博しています。
従業員の教育や働きやすい環境の整備にも注力をしており、接客サービス、職人の技能向上を担う「おもてなし部」による動画実行支援システム「ABILI Clip」を使った数百本もの教育コンテンツの制作とカリキュラムの設計、「真打制度」という独自の業務ランク制度の設定等のユニークな取り組みも進んでいます。
コロナ禍を契機に、従来の回転寿司業態からの転換、フルオーダー制への変更を行ったことも話題になりました。 そんな銚子丸が新たに取り組んだのは、新店出店を行う際に現場でのOJTと組み合わて行った「自宅学習」の仕組み。
多くの企業でe-ラーニングやオンライン研修の仕組みが導入され、またYoutubeやTiktokなどのショート動画の浸透もあり、従業員のニーズとして「移動時間などのスキマ時間に見たい」という声は良く聞かれます。しかしインフラや労務の問題でなかなか実現できていない企業も多いなか、行った取り組みにはどんな狙いや効果があったのでしょうか。


現場の職人出身で、ゼネラルマネージャーとして複数の店舗のマネジメントを行う渡部さんは、今回の取り組みの背景をこう語ります。
「通常、オープン時の研修は、近隣の既存店で行っていますが、今年の6月にオープンした横浜六ツ川店は、新エリアへの出店となり近接する店舗がなく、最も近い横浜都筑店でも往復3時間を要し、パート・アルバイトの方々に対して、実地研修が従来のようにはできないことが課題でした。また、3月に募集を開始し、採用が決まった方と繋がり続ける環境も必要でした。そんななかで、理念や接客・技能の教育動画が集約している「ABILI Clip」を活用して、新たな仕組みができないかと考えました。」
方式としては、オープン前の横浜都筑店への実地研修前に見てほしい教育コンテンツを「ABILI Clip」上に揃え、個人のスマートフォンなどで研修前に見てもらいます。往復の移動時間である3時間分の時給を想定の閲覧時間として、実地研修の日数分を支給しました。
通信費などの変動費については、事前の説明の上支給を行わず、自宅等Wifi環境の整った場所での視聴を推奨する形で行いました。
実施後の反響と効果として、渡部さんはこう語ります。
「どのような反応があるか懸念はありましたが、視聴回数を見る限り予想以上に非常に良く見ていただいていた印象でした。プライベートでの経験を含め動画を観る習慣がついていることもあってか、みなさん柔軟に、能動的に学んでいただいた印象です。効果としては、実地研修での質問の質の向上、それに伴う教える側の負担軽減を感じています。我々は現場でのOJTを重視していますが、0から教える際にどうしても発生する、人から人に伝える際の「バラつき」がなくなることで、現場の抱える課題感が解消できた実感があります。」
エリアマネージャーとして仕組みの運用に深く関わった福原さんは、取り組みをこう振り返ります。
「あくまで研修のメインは実地研修ですが、その予習としての有効性に加えて、今回は採用から新店オープンまで3ヶ月程度あったので、従業員の方々を不安にさせず、長く付き合っていけるような関係性構築を行いたいという想いがありました。実施前には丁寧に操作方法をお伝えした上で、視聴やログインの状況を把握して、使い方や不明点のフォローも行い、実地研修前の安心感や、繋がりを作るためのハブとして考えていました。」
コンテンツについても、できる限り負担なく学習してもらえるような工夫を行ったと言います。
「全従業員に必要な衛生管理のほか、ホール、厨房、お寿司を握る”レール”と呼ばれるセクションそれぞれで、スキマ時間に見ていただけるようにできるだけ短く、トータル2時間〜3時間ほどのコンテンツを揃えています。それを最低限の内容として視聴いただくことをお願いしました。採用時期によって視聴できる期間も変わるので、早めに視聴を開始した方で進捗が早い方には、その方のニーズや必要性に沿ったコンテンツを用意していました。」
六ツ川店の開店から数ヶ月がたった今、取り組みの結果としても手応えを得ています。
「この短い期間で非常に高い完成度を実現できたと思います。実地での学習の前にベース理解や共通言語があることで、教わる側にも教える側にもメリットがあります。現場で0から教える形ですと担当者1人がつきっきりになり業務を行うことができませんが、その必要がなくなることで、結果として現場での人件費の大幅な削減にも繋がっています。また、事前学習だけでなく、「まずは動画を見て学ぶ」という習慣が身についているので、現場に出てからの姿勢にも良い影響が生まれている実感がありますね。」
今では「3月に採用された方が5月に採用された方にOJTしている」といった状況も生まれている」とのことで、店舗にしっかりと教育の体制が根付いていることがわかります。


実際に自宅での事前学習を行った従業員の方からも、開店までの不安が解消できたり、実際に働くことのイメージができたなどの声が聞かれました。
「コンテンツはたくさん用意されていて、最低限見てほしい、というものに加えて、気になるものや、実地研修をしてみて不安だったことに関連したものを探して見返していました。私はホール担当で、お客様の応対やお出迎え・お見送りの機会が多いですが、このあたりに銚子丸の店舗がないので、「銚子丸らしさ」というような言葉にしづらいお店の雰囲気を動画で事前に把握できたのはありがたかったです。自宅での私物での利用も抵抗は全くなかったですね。」

お客様の前でお寿司を握って提供する”レール”担当の女性は、未経験から自宅学習、実地研修を経て、開店から現在の業務に就いています。
「私は主婦で子供が3人おり、見ている時間があるかな…と不安に思っていたのですが、始めてみると料理をしながら観たり、ちょっとしたスキマ時間に学習ができたのは非常にありがたかったです。事前の学習だけでなく、実地で話を聞いただけでは忘れてしまうこともあり、目の前でやってもらっても「もう少しゆっくりやってほしい」とは言いづらいので、動画だと自分のペースで何度もくりかえし見ることができたのは助かりました。握り方の動画は本当に数十回観て、実践をする中で身につけることができました」
今回の事例を経て、コンテンツの整備やカリキュラムの精緻化など、よりブラッシュアップをしながら、今後もこの仕組みを有効活用し、”強い店舗作り”に繋げていきたいと考えています。
「従業員の方々に創業の想いをどのように伝えていくか、”銚子丸劇場”を実現するために1つ1つの店舗がいかに店舗作りを実現していくか、そういった部分を今後も考えていきたいですし、そのために「ABILI Clip」を初め有用なツールや仕組みの活用も確立してきましたので、引き続き推進していきたいです。」(渡部さん)


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