〜育児のスキマ時間で握り方を学習、未経験から3ヶ月で”板前”に〜
「自宅学習」に時給を支給し、現場の教育課題を解決。
「すし銚子丸」進める”強い新店作り”への新たな挑戦
株式会社銚子丸が運営するグルメ寿司チェーン「すし銚子丸」は、88店舗(すし銚子丸82店 江戸前すし百萬石1店 すし銚子丸雅4店 銚子丸テイクアウト専門1店)を展開し、”銚子丸劇場”と銘打った独自の店舗作りと、鮮度の高いネタの提供で人気を博しています。
従業員の教育や働きやすい環境の整備にも注力をしており、接客サービス、職人の技能向上を担う「おもてなし部」による動画実行支援システム「ABILI Clip」を使った数百本もの教育コンテンツの制作とカリキュラムの設計、「真打制度」という独自の業務ランク制度の設定等のユニークな取り組みも進んでいます。
コロナ禍を契機に、従来の回転寿司業態からの転換、フルオーダー制への変更を行ったことも話題になりました。 そんな銚子丸が新たに取り組んだのは、新店出店を行う際に現場でのOJTと組み合わて行った「自宅学習」の仕組み。
多くの企業でe-ラーニングやオンライン研修の仕組みが導入され、またYoutubeやTiktokなどのショート動画の浸透もあり、従業員のニーズとして「移動時間などのスキマ時間に見たい」という声は良く聞かれます。しかしインフラや労務の問題でなかなか実現できていない企業も多いなか、行った取り組みにはどんな狙いや効果があったのでしょうか。
現場の職人出身で、ゼネラルマネージャーとして複数の店舗のマネジメントを行う渡部さんは、今回の取り組みの背景をこう語ります。
「通常、オープン時の研修は、近隣の既存店で行っていますが、今年の6月にオープンした横浜六ツ川店は、新エリアへの出店となり近接する店舗がなく、最も近い横浜都筑店でも往復3時間を要し、パート・アルバイトの方々に対して、実地研修が従来のようにはできないことが課題でした。また、3月に募集を開始し、採用が決まった方と繋がり続ける環境も必要でした。そんななかで、理念や接客・技能の教育動画が集約している「ABILI Clip」を活用して、新たな仕組みができないかと考えました。」
方式としては、オープン前の横浜都筑店への実地研修前に見てほしい教育コンテンツを「ABILI Clip」上に揃え、個人のスマートフォンなどで研修前に見てもらいます。往復の移動時間である3時間分の時給を想定の閲覧時間として、実地研修の日数分を支給しました。
通信費などの変動費については、事前の説明の上支給を行わず、自宅等Wifi環境の整った場所での視聴を推奨する形で行いました。
実施後の反響と効果として、渡部さんはこう語ります。
「どのような反応があるか懸念はありましたが、視聴回数を見る限り予想以上に非常に良く見ていただいていた印象でした。プライベートでの経験を含め動画を観る習慣がついていることもあってか、みなさん柔軟に、能動的に学んでいただいた印象です。効果としては、実地研修での質問の質の向上、それに伴う教える側の負担軽減を感じています。我々は現場でのOJTを重視していますが、0から教える際にどうしても発生する、人から人に伝える際の「バラつき」がなくなることで、現場の抱える課題感が解消できた実感があります。」
©2014-2024 ClipLine, Inc.