実際に人材育成を進められているお二人も、そうした課題は感じられていましたか︖
久田:そうですね。私もこの業界に入って20 年になりますが、先輩方の知識や技術を学びながら培ってきたものがある中で、自分が行なっている介護業務にきちんと根拠を持てること、ポイントを押さえておくことは大切です。言われたことをただ繰り返し行うだけでは何の知識も技術も身に付かない。自らの意志と理解を高めていくことが重要だと考えています。
中でもボディメカニクスはこの介護の仕事をしていく上でまずは一番に知ってほしい基本的な知識の一つです。基本知識を知っておかないと、ケアを提供する際にご利用者様・職員双方の体に負担がかかります。しっかりと理解した上で、お互いの背丈や体格に合わせたケアを提供することで、より良い介助が生まれます。
小俣:バラつきという点では、中途採用の研修現場などで、「人によって教える内容や教え方が違う」という点も問題でした。我々が提供するケアの質の統一をするための基準づくりが必要だと考えていました。