これまでClipLine株式会社ではサービス業を中心とした多拠点ビジネスの「実行支援」に重きを置き、短尺の動画を活用して業界特有の課題を解消することに尽力してきました。例えば、サービス業では「最初の1カ月」が重要とされています。我々のサービスを新人教育に活用いただくことで、人材の活躍や定着に効果を発揮してきました。
一方で、多くのお客様をご支援していく中で、従来のサービスだけでなく、各店舗や拠点が持続的成長を実現するためのより包括的な支援が求められていることがわかりました。
そうしたニーズにお応えすべく、2023年9月に新ブランド「ABILI」を立ち上げ、サービス業が抱える課題の可視化から実行解決を一気通貫で支援する体制を構築してきました。
点在する課題やノウハウを可視化し、店舗や拠点ごとのバラつきを解消しながら、強い現場を作り上げる。
リブランディングは、ABILIの製品群を活用し利益向上に貢献するパートナーとしてのあり方をより強固にするものであり、現在ではサービス業の皆様を中心に、60万人以上(※2024年11月現在)にご利用いただいています。
弊社はサービス業を、産業カテゴリ的な定義ではなく、「商品/サービスなどの価値提供に人が介在する業態」と定義しています。一般的な外食・小売・生活サービス業だけではなく、運輸・物流や介護保育、メンテナンス業なども含みます。
この数年でサービス業を取り巻く環境は大きく変化しました。キーワードは「インフレ・円安」「人手不足」「テクノロジー」の3つです。
2021-2022年頃から、需要増と供給制約が重なりエネルギーや原料価格の高騰が加速しました。また日本と米国の金利差はその間も拡大を続け、結果的にインフレと円安のダブルパンチがサービス業を襲っています。このような変化に対応するためには、サービス業全体でのオペレーションや戦略の見直しが不可欠です。サービス業にはデジタルトランスフォーメーションや効率化の取り組みを強化するなど、ビジネスモデルの転換が求められています。
また、積年の課題として少子高齢化という課題があります。2025年頃には国民の4人に1人が後期高齢者となると言われていますが、その結果として労働人口の減少への懸念が年々増しています。
この「人手不足」という課題はサービス業に大きな影響を与えます。すでに採用の難しさや離職率などの課題は顕在化していますが、今後そのような課題を解決する難易度はより一層高まっていくことが推測されます。これまで10人で運営していた店舗を6-7人で運営しなければならない未来がすぐそこに迫っているのではないでしょうか。
そのような状況の中で、テクノロジーの進化はサービス業の未来を明るく照らしています。モバイルオーダーやタブレットでの注文による業務効率化だけではなく、業態によってはロボットによる接客等も進んでおり、本来的に人が介在する必要のない業務の省人化は新型コロナウイルスの影響もあり、この数年で一気に進みました。
しかしながら我々は、このような省人化を実現するテクノロジーだけでは、サービス業の本質的な価値を高めることはできないと考えています。サービス業の本質的な価値は「商品/サービスを届ける、『人の手による付加価値の創出』」です。
現在浸透しつつある人を減らすテクノロジーだけでは、人にしか実現できないサービスの価値向上は実現できません。
今後人手不足やテクノロジーがより一層発展していく未来においては、「サービス業に関わる人を活かし、エンパワメントするテクノロジー」が重要だと考えています。そして、我々はそれを「サービステック」と定義しました。