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チェーン店における現場改善の方法とは|よくある3つの課題と解決策

サービス業のチェーン展開において、課題になるのが現場のサービスレベルの改善です。

本部から一貫した指示を出しているつもりでも、マネージャーから店長、さらにアルバイトスタッフへと伝わるなかで趣旨が変わってしまい、期待した改善がなされないことはよくあります。逆に、本部スタッフの現場理解が不十分なため改善が進まないというケースもあるでしょう。

本記事では、チェーン店の現場改善におけるよくある課題と解決策について解説します。現場改善の効果的な手段として、従業員満足度とお客様満足度を同時に高める「サービスプロフィットチェーン」の考え方も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

目次[非表示]

  1. 1.チェーン店の現場で改善すべき3つの課題
  2. 2.チェーン店の現場における課題は「サービスプロフィットチェーン」の構築で解決できる
  3. 3.サービスプロフィットチェーンの構築には仕組み化が大切
  4. 4.まとめ

チェーン店の現場で改善すべき3つの課題

チェーン展開をするサービス業の現場でよく挙げられるのは、以下3つの課題です。

  • 店舗・エリアごとに商品・サービスの質にばらつきがある
  • 従業員の接客レベルが低い
  • 店内の清掃が行き届いていない

店舗・エリアごと商品・サービスの質にばらつきがある

チェーン全体のマネジメントが統一されておらず、店舗や特定エリアによって商品やサービスの質にばらつきがある場合、高く安定したクオリティを提供できるというチェーン店の「強み」を十分に発揮できず、お客様の満足度を高めるのは難しくなります。

チェーン店であれば、2回目以降に来店するお客様は前回と同じ質の商品・サービスを期待しています。来店のたびにばらつきがあれば、裏切られた気持ちになるでしょう。友人や知人に紹介されて来店した場合も、「聞いていたほどではない」との印象を与えてしまい、紹介したお客様・紹介されたお客様ともに失望させることとなります。

細部にわたって品質の均一化を図ることで初めて、常に期待に応える商品・サービスの提供が可能となります。例えば、飲食店であれば味だけでなく、食材の加工や盛り付けの方法、従業員による接客なども品質の一部だといえるでしょう。

最近では、チェーン全体のマネジメント強化に役立つツールもあります。文章によるマニュアル化が難しい部分は動画で配信するなど、システムやツールをうまく活用することで商品・サービスの質を高いレベルで均一化することが可能です。

従業員の接客レベルが低い

従業員の接客レベルが本部の期待に届いていない場合も、安定したチェーン経営は難しくなります。サービス業において、現場の従業員はブランドを体現する存在であり、チェーン店においては均質かつ安定したレベルがあらゆる点で求められます。

例えばサービス業の接客においては、言葉づかいだけでなく身だしなみや案内のスムーズさなどにも気を配る必要があります。従業員の教育が十分行き届いていなければ、お客様の不満につながりやすく、商品・サービスが優れていてもリピートを逃す原因となるでしょう。

特に従業員がすぐに辞めてしまう店舗では、業務に不慣れな従業員の比率が高まります。知識やノウハウがうまく伝達されず、お客様満足度の向上からはほど遠い状況になりかねません。

遠回りに感じるかもしれませんが、従業員満足度を高めることでまずはスタッフの定着率を高めるのも手段の1つです。ベテラン従業員が増えてくれば、知識やノウハウの蓄積・共有によって接客品質が向上します。

店内の清掃が行き届いていない

店内の清掃が行き届いていないケースも、サービス業のチェーン展開でよく見られる課題です。店内が清潔に保たれていなかったり、乱雑な状態だったりすれば、お客様に不快な思いをさせてしまいます。

テーブルやイスなどはもちろん、トイレ、受付、さらに店舗の入口や駐車場まで管理する必要があります。例えば、駐車場にごみが散らかっているような店舗には、交際相手や家族を連れて行きたくないと感じるお客様もいるでしょう。

店内においては、特に新型コロナウイルス感染症の拡大以降、清潔さや衛生状態に敏感なお客様が増えています。店内が不衛生との印象を持たれてしまえば、リピートの可能性は低くなるでしょう。

チェーン店の現場における課題は「サービスプロフィットチェーン」の構築で解決できる

サービス業のチェーン展開において、現場の課題を解決する際に活用したいのが「サービスプロフィットチェーン」というフレームワークです。

サービスプロフィットチェーンの概要

サービスプロフィットチェーンとは、従業員満足度・お客様満足度・企業利益が相互に作用し合う仕組みを表したフレームワークです。

従業員満足度が向上すれば従業員のモチベーションが上がり、商品・サービスの質の向上につながります。その結果、お客様満足度が高まり、より多くの商品・サービスが消費されることで、最終的に企業利益の拡大につながるという考え方です。

厳密には、サービスプロフィットチェーンは以下7つのステップで表されます。

  1. (企業内の)従業員に対するサービス品質が向上する
  2. 従業員満足度が向上する
  3. 従業員の貢献意欲や生産性が向上する
  4. 商品やサービスの質が向上する
  5. お客様満足度が向上する
  6. より多くの商品・サービスが消費される
  7. 企業利益が拡大する


最後のステップとして企業の利益が拡大した結果、従業員に利益の一部が還元されることで再び「従業員に対するサービス品質」が向上することとなり、好循環が生み出されるという仕組みです。

サービス業のチェーン展開において最初のカギとなるのが、従業員満足度の向上です。従業員満足度を高めることで、その後のサイクルが促されます。つまり、従業員の貢献意欲や生産性が高まることで商品やサービスの質が向上し、結果としてお客様満足度の向上につながるのです。

お客様満足度が高まれば、客単価の上昇やリピート、友人・知人への紹介などによってより多くの商品・サービスが利用されるようになります。その結果として企業利益が拡大すれば、労働環境の改善や賃金の上昇、福利厚生の充実など従業員へのサービス品質を高め、従業員満足度をさらに向上させることが可能となります。

このような良好なサービスプロフィットチェーンの構築が、チェーン店における現場改善には欠かせません。うまくサイクルが回り出せば、各店舗において自発的な改善がなされるようになります。


サービスプロフィットチェーンに重要な「従業員満足度」「お客様満足度」の高め方

従業員満足度を高める

現場改善のためには、まず従業員満足度の向上に取り組みましょう。従業員満足度を高めるには、本人の努力が成果となって表れ、評価されるための仕組みづくりが大切です。目に見える結果として表れれば、やりがいやモチベーションにつながるからです。

例えば、以下のような職場環境であればよりよいサービスの提供を目指して努力する従業員が増えるでしょう。

  • 新たな技能を習得した結果、時給をアップしてもらえた
  • 接客スキルを磨いた結果、お褒めの言葉が届いた
  • リーダーとして現場改善に取り組んだ結果、社内表彰された

「お褒めの言葉」などは偶然のように感じるかもしれませんが、仕組みを整えることで同様の環境を実現できます。例えば、ペッパーランチを運営する株式会社ホットパレットでは、アンケートツール「ABILI Voice」を導入したことで、お客様の声が即座に店舗スタッフまでフィードバックされるようになりました。そして、収集されたアンケート結果758件のうち96%にあたる730件がお褒めの言葉だったのです。

前向きな取り組みが成果として表れる環境を整えれば、従業員満足度は着実に向上します。

お客様満足度を高める

お客様満足度を高めるには、お客様の声を聞くことがもっとも大切です。社内で基準を設け、どれだけ厳しく管理したとしても、結局はお客様がどう受け止めたかで評価が決まるからです。お客様の声を聞かずに改善を続けても、的外れな対策となってしまう可能性が高いでしょう。

お客様の声を聞くには、継続的なアンケートの実施が有効です。アンケートをすでに実施しているという企業は多いですが、結果の集計だけで満足してしまい、現場の改善につながっていないケースは少なくありません。

一定の評価指標を用いて継続的にアンケートを実施することで、チェーン全体および各店舗における課題が明確になります。「アンケート実施→分析→改善→アンケート実施」といったサイクルを回すことで、お客様の声を改善に活かすことが可能となり、満足度の向上につながるのです。

サービスプロフィットチェーンの構築には仕組み化が大切

サービスプロフィットチェーンを構築・運用していくためには、仕組み化が欠かせません。

ここまで、従業員満足度・お客様満足度を高める方法についてそれぞれ解説してきました。しかし、お客様の声を拾って現場にフィードバックしたり、チェーン全体および各店舗において改善活動を行なったりするのは、大きな労力を伴います。ツールやシステムを活用し、プロセスを簡略化しなければ、継続的な取り組みにすることは難しいでしょう。

例えば、Webアンケートツールを活用することで、アンケート結果の集計やレポートの作成を自動化できます。各店舗での手作業による集計や本部への報告が操作なしで完了するため、本部・現場ともに改善活動に注力できるでしょう。

また、アンケートで収集したお客様の声を即座にチェーン全体にフィードバックすることも可能です。お褒めの声が現場に還元されれば、従業員満足度の向上につながります。

このように、お客様満足度と従業員満足度が相互に作用しながら高め合えるよう仕組みを整えることが、現場改善にはきわめて重要です。

まとめ

本記事では、チェーン店の現場でよくある課題とその解決策としての「サービスプロフィットチェーン」の構築方法を紹介しました。

従業員満足度とお客様満足度をそれぞれ高め、相互に作用させることで、現場改善を効率的に進められます。お客様アンケートによる改善を仕組み化すれば、従業員満足度とお客様満足度をうまく相互作用させながら、サービスプロフィットチェーンの構築が図れるでしょう。

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