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顧客起点経営の実現方法|企業が直面する課題と取り組み方を解説

人口減少が進む日本経済において、もはや企業起点で商品・サービスを作るだけでは厳しいマーケットのなかで生き残っていけません。顧客側の選択肢が増え、価値観やニーズが多様化したことで、より顧客に向き合わなければならなくなったからです。

多様化した顧客のニーズに向き合い、それに応える事業を展開する「顧客起点経営」を実現してこそ成長が可能となります。しかし、顧客の声を丁寧に拾い、それを起点として改善につなげるのは容易ではありません。

本記事では、顧客起点経営の実現方法やよくある課題、具体的な取り組み方を解説します。顧客起点で経営を見直す必要がありそうだと感じている方は、ぜひ参考にしてみてください。 

目次[非表示]

  1. 1.顧客起点経営とは
  2. 2.顧客起点経営を実現するうえでの課題
  3. 3.顧客起点経営の実現方法
  4. 4.顧客起点経営の実現方法まとめ

顧客起点経営とは

顧客起点経営とは、その名の通り「顧客」の声やニーズを起点とした経営のことですが、近年注目されている背景としては以下の3点が挙げられます。

・すべての商品・サービスは顧客が起点であるべき
・企業起点では商品・サービスが同質化する
・人口減少が進むなかで顧客起点の重要性が増している

すべての商品・サービスは顧客が起点であるべき

まず、すべての商品・サービスは顧客を起点として作られるべきであるという考え方です。

商品、サービスは顧客のニーズを満たすからこそ購入・利用され、その結果として企業は成長を続けられます。逆に顧客を無視した商品・サービスづくりをしてしまえば、やがて顧客は離れていくでしょう。

言葉にすれば当たり前のことではありますが、大企業になるにつれ、または経営層から顧客までの距離が長くなるにつれ、顧客の声に耳を傾けるのは難しくなるものです。原点に立ち返り、顧客を起点として事業を展開することこそが現代マーケットで生き残るための条件だといえます。

企業起点では商品・サービスが同質化する

世の中には、顧客起点ではなく、企業側の発想をベースにした商品・サービス作りをする企業が多いです。しかしそれでは、既存の技術・情報をもとにしたアイデアしか生まれないため、やがて競合同士の商品・サービスが同質化してしまう傾向にあります。

顧客が何に不満を感じているのか、どのような機能・特徴があればもっと利用したいと思うのかといった情報を掴めなければ、よりよい商品・サービスの開発は成り立ちません。企業側の考えで改善を行なったとしても、それが顧客に響かなければ意味がないからです。

企業が持つ既存の技術・情報をベースとした商品・サービス作りを続けていけば、競合同士の商品・サービスが同質化し、価格競争に陥ってしまうでしょう。

人口減少が進むなかで顧客起点の重要性が増している

特に現代日本においては、人口減少によるマーケットの縮小が急速に進んでいます。企業にとっては顧客を奪い合う状況になっており、マーケットで勝ち残るためには顧客起点のアプローチによってより深くニーズを満たす必要があるのです。

人口や経済が大きく成長している状況であれば、企業起点のモノづくりであっても次々に商品・サービスは消費されていくでしょう。しかし、さまざまなモノにあふれた現在では、真に顧客ニーズを満たす商品・サービスだけが顧客の信頼や満足を勝ち取り、生き残ることになります。

逆にいえば、マーケットの成長が止まっていたとしても、顧客が抱える不満を解消し、新たなニーズを満たす商品・サービスを提供できるのであれば、十分成長が可能だということです。

顧客起点経営を実現するうえでの課題

多くの企業が顧客起点経営の重要性に気づいてはいますが、なかなか実現には至っていません。顧客起点経営を実現するには、以下のような課題に直面するからです。

・顧客の声を吸い上げる仕組みがない
・顧客の声が改善につながらない
・ミドルマネジメント層がボトルネック化してしまう

顧客の声を吸い上げる仕組みがない

まず、そもそも経営の起点とするべき「顧客の声」を吸い上げるための仕組みがないという点です。顧客の声を拾うというのは言葉にすれば簡単ですが、そう単純なものではありません。

顧客満足度調査を実施している企業は多いですが、それを商品・サービスの改善につなげられている企業は実は多くないのです。外部の調査会社を利用した調査なら、費用さえかければ簡単に実行できます。

しかし実態として、調査結果を見て現状把握できたことに満足し、その後の改善活動につながらないケースが少なくありません。原因としては、調査開始から現場の改善までにかかる工数が多すぎたり、改善を見据えた調査設計になっていなかったりといった点が挙げられます。

例えばチェーン展開をしている店舗なら、わざわざ調査会社を起用しなくても、Webアンケートツールを導入することで顧客からの声を吸い上げ、自動で集計・分析・レポート化する仕組みを構築できます。そうすれば、余計な工数をかけることなく調査結果をそのまま改善活動につなげられるでしょう。

顧客の声が改善につながらない

調査を実施し、顧客の声を拾えたとしても、それを改善につなげられるかどうかは別の問題です。ゴールは「顧客の声を拾うこと」ではなく、「顧客の声をもとに改善すること」として取り組まなければなりません。

例えば、顧客満足度アンケートに届いた不満の声を即座に現場にフィードバックすれば、その日のうちに解決することも十分可能です。



東京・神奈川・千葉・埼玉で回転寿司を営んでいる「銚子丸」では、Webアンケートツール「ABILI Voice」を導入し、お客様のフィードバックが即時共有される仕組みを構築しました。「カニ汁がしょっぱい」とのコメントが届いた際には、マネージャーと店長が即座に連携し、店内で提供済みのカニ汁をすべて回収し、取り替えるという対応をとりました。

顧客のフィードバックを即座に改善につなげるための仕組みがあったからこそ、その日のうちに顧客の不満を解消できたといえるでしょう。アンケート結果が本部に集まるのを待っていたとしたら、対応は大きく後手に回っていたはずです。
「銚子丸」の事例をもっと詳しく読む


ミドルマネジメント層がボトルネック化してしまう

組織のなかで中間に立ち、本部と現場の情報伝達を担うべきミドルマネジメント層が、業務過多によってボトルネック化してしまうという点も、顧客起点経営を妨げる要因となることが多いです。

顧客の声を吸い上げる仕組みが整ったとしても、経営層や本部にすぐに情報が共有されなければ迅速な改善にはつながりません。また、例えばチェーン展開をしているサービス業の場合、本部側で改善策を準備したとしても、各店舗での改善の実行は店舗責任者任せになりがちです。しかし、人手不足が深刻化する昨今、店舗責任者は現場のオペレーションで手一杯になり、改善にまで手が回らないというケースは少なくないでしょう。

各拠点の責任者などの「ミドルマネジメント層」が業務に追われている状況では、顧客の声をもとに改善策を立案したとしても、自身が抱えるスタッフに共有・指導する余裕がないのです。

顧客起点経営の実現方法

顧客起点経営の重要性や課題を踏まえ、実現のためには以下の2点がポイントだと考えられます。

・顧客ニーズにもとづく改善を仕組み化する
・情報伝達の効率・スピードを上げる

顧客ニーズにもとづく改善を仕組み化する

顧客起点経営であれば、顧客の声をできるかぎり集め、そのニーズをもとに改善するための仕組みが重要です。

例えば、チェーン展開をするサービス業であれば、Webアンケートツールを導入して顧客がスマートフォンで簡単に回答できる仕組みを構築します。QRコードなどを通じてスマートフォンで読み取り、そのまま回答できるようにすれば、回答率が上がるでしょう。

その結果、店舗の営業時間中は常に顧客の声を集め続けることが可能となります。さらに、集まった回答が自動で集計され、分析レポートが経営層・本部担当者・店舗責任者まで瞬時に共有されるようにすれば、即時改善につなげられます。

「顧客ニーズを吸い上げ、それにもとづく改善を即実行する」という文化を社内に築き上げることが大切だといえます。

情報伝達の効率・スピードを上げる

顧客の声を吸い上げ、改善策を立案できたとしても、それを組織全体にまで浸透させるためには「情報伝達のボトルネック」を解消する必要があります。

店舗責任者や中間管理職などのミドルマネジメント層で情報が止まらないようにするためには、情報伝達の仕組み化が重要となります。顧客起点経営に切り替えるにあたり、ハードルとなるのが既存の組織構造・オペレーションからの脱却です。既存の枠組みのまま取り組んでも、現場の負担・不満が増えるだけでしょう。

例えば、動画配信による教育・情報共有を仕組み化すれば、本部から一括で改善策の教育・指導ができます。動画型実行支援システム「ABILI Clip」を使えば、現場スタッフが動画を閲覧したあと、実演した様子を録画して投稿し、本部からフィードバックを受けるといった仕組みの構築も可能です。その結果、ミドルマネジメント層の手を煩わせることなく、質の高い情報共有・教育が成り立ちます。

大手ドーナツチェーンの「クリスピー・クリーム・ドーナツジャパン株式会社」では、新商品「ブリュレグレーズド」の導入にあたり、「ABILI Clip」を活用しました。これまでにない「火であぶる」という工程について、具体的な器具の使い方や安全上の注意などを動画で配信したことで、現場の教育負担をほとんどかけずに全店舗・全スタッフに質の高い教育が行なわれました。

情報伝達の効率・スピードを上げる仕組みを構築すれば、顧客起点での細かいニーズにも十分対応が可能だといえるでしょう。

顧客起点経営の実現方法まとめ

本記事では、顧客起点経営の概要や課題、実現方法を紹介しました。

人口減少によって日本のマーケットが縮小するなか、顧客起点経営はますます重要性を増しています。実現のためには、「顧客の声を吸い上げ、即改善につなげるための仕組み」と「経営層から現場までの情報伝達を高速化する仕組み」の2つが重要です。

動画型実行支援システム「ABILI Clip」なら、動画配信によって全従業員への情報共有・教育を自動化できるうえ、従業員自身に実践した様子を投稿させることで習得度のチェックも可能となります。実践のレポートやテスト・アンケートによる習熟度チェックなど双方向性を持った仕組みで理解度を確認できるため、顧客起点の新たな取り組みを組織の隅々まで浸透させられます。

そのほかにも、ABILI Clipを活用すれば以下のような現場改善が可能です。

・重点施策の実行率最大化・バラつき改善による業績改善
・ミドルの負担が最も下がる人材即戦力化・OJTプログラム
・リモート臨店によるQSC改善
・顧客満足度・顧客体験向上による売上アップ
・集まらずにリモートでできる「集合研修」
・従業員満足度向上・離職率削減による業績改善
・SV・マネージャー業務のデジタルによるコスト構造改革

詳細については以下ページをご覧ください。
多店舗マネジメントをデジタル化するサービス「ABILI Clip」とは


また、実際に「ABILI Clip」を導入いただいている企業様の事例もご紹介しています。
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