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外国人アルバイト採用・育成で知っておきたい重要ポイントとは?

求人を出しても、日本人アルバイトが思うように集まらない人手不足の時代。そこで外国人アルバイトを採用するのが当たり前となっていますが、カルチャーギャップに悩まされている企業も多いのではないでしょうか。今回は、接客やサービスにまつわるカルチャーギャップと、それを埋めるための職場の環境づくりについてご紹介します。

目次[非表示]

  1. 1.こんなにある!日本と世界のカルチャーギャップ
  2. 2.日本の「当たり前」は外国人アルバイトにとって非常識?
  3. 3.日本語表現の難しさ
  4. 4.外国人アルバイトの就労時間
  5. 5.優秀な外国人アルバイトが活躍できる環境づくりを

こんなにある!日本と世界のカルチャーギャップ

外国人アルバイトといっても、出身国はさまざま。それぞれの国で自然と培われた接客方法や、働き方についてのスタンスを頭に入れておくことで、事前に注意すべき点が理解できます。

【アメリカ】お客さまは神様ではない?!

アメリカのスーパーのレジでは、お客さんがたくさん並んでいても、店員どうしが楽しくおしゃべりをして、全く急ぐそぶりを見せない場面に出くわします。そこには、「客と店員は同等な関係」という前提があります。極端な話、強い態度をとらなければ客に舐められて、不当な要求をされたり、万引きされたりするなどのトラブルを生む結果になってしまう可能性もあります。

【中国】「死不認錯」死んでも謝らない

「申し訳ありません」。日本人は、何か問題が起きたとき、すぐに謝罪の言葉を口にします。中国には、「死不認錯」という言葉があります。これは、命を落としても謝らないという意味です。中国では、言葉で謝罪しただけでは許されないどころか、自分が不利になるだけので、滅多に謝りません。接客中に自分のミスを認めて謝罪したことで、会社に何からの損害を与えてしまった場合、全責任を負わされて解雇されたり、損害賠償を求められたりすることがあるのです。そこには、分裂と統合を繰り返す過酷な歴史から生まれた、「頼れるのは自分だけ」という価値観が隠れていそうです。

【フィリピン・ベトナム】時間通りに進まない

外国人が日本で驚くことのひとつに、時間厳守があります。日本人は、ほんの数分でも遅れとみなします。日本の交通機関では、時刻表ぴったりに電車が駅に到着して発車しますが、海外では必ずしもそうではありません。国により5分遅れるのは当たり前、予告なしに30分遅れることも。他にも、ビジネスのアポイントに、時間通りに来社しなかったり、約束していても直前に変更してくる国もあります。

日本の「当たり前」は外国人アルバイトにとって非常識?

外国人アルバイトからみると、日本の職場慣習はなかなかなじみにくいものがあります。

  • 休憩時間を守る。責任者の指示があるまで勝手に休憩を取らない
  • 他のスタッフのミスであっても、店舗全体の責任と捉え自分も謝罪をする
  • 友人が来店した際に勝手にサービスを行わない
  • ただ皿に載せるだけでなく、盛り付けの見た目の良し悪しを大切にする

どれも日本人には当たり前のことですが、外国人アルバイトにとっては「なんでそこまで」と捉える傾向にあるようです。そのほか、清掃のレベルについても、「綺麗」の感覚が日本人との間に大きな差があります。こうした接客やサービス提供に関するギャップが、お客様との間で思わぬトラブルを招いてしまうようです。

日本語表現の難しさ

言葉の問題もやっかいです。契約書やマニュアルは、あらかじめ母国語に翻訳して伝えることで、誤解や理解不足を補えます。しかし、当然ながら実際の現場でのやりとりは日本語です。外国人アルバイトを採用し、人材教育を行っている企業からはこんな声が聞かれます。

  • 接客で使う敬語や言葉づかいがおかしい。
  • お客さまに対して何かするとき黙って行動するので、態度が悪く見える。行動するときは何をするにも一言添えてほしい。

ここでも、言葉の問題の背後にある文化の違いが問題となっています。例えば、依頼をするときに「お手数ですが」と一言添えます。こうした、必要な言葉の前に付け加えて使う表現を「クッション言葉」といいます。ビジネスや接客の場面で、相手に謝罪やお願いをしたいときに、このクッション言葉を使うことで、会話を直接的でない柔らかな印象にしてくれます。

クッション言葉以外にも、独特の言い回しや、微妙な言葉のニュアンスがあります。これらは、言語化されたマニュアルですべてを伝えることは難しく、現場でのやりとりを通じて学んでいく必要性がありますが、どうしても時間がかかります。

解決策のひとつは、同じ国籍で、すでに日本での接客経験を積んだ外国人スタッフを、人材育成係にすることです。同じ国籍の人材育成係が教育することで、日本人が教えるよりも理解度は進み、言語だけでなく文化面と心理面でもサポートできます。

外国人アルバイトの就労時間

外国人アルバイトの多くは、海外からの留学生です。外国人留学生は働ける時間が決まっており、規定を超えて就労した場合、その雇用者は罰せられ、留学生自身も不法就労の処罰の対象になります。

外国人留学生の就労可能時間は、1週間に28時間までで、これには残業時間も含まれます。夏休みなどの長期暇業期間は、1日8時間までの1週40時間以内に緩和されます。また、アルバイトを掛け持ちしている場合は、これらすべての就労先での時間を合算して、上限以内に収める必要があります。

大都市圏では、東南アジアからの留学生をターゲットにした日本語学校が乱立しています。留学生の多くは、自国で渡航費などを借金して来日しており、その返済や生活費をアルバイトで補いたいと考えている学生もいます。したがって、法律に違反してでも稼ぎたい外国人留学生もおり、アルバイトの掛け持ちを隠す傾向があります。雇用主は、あらかじめ外国人アルバイトと、就労時間や掛け持ちについての契約書や誓約書を交わすことで、トラブルを未然に防ぐようにしましょう。

優秀な外国人アルバイトが活躍できる環境づくりを

外国人アルバイトが急に休んだり、来なくなったりする理由の多くは、職場になじめず、嫌になってしまうことです。仕事だけを淡々と教え、仕事以外の時間では日本人同士のコミュニケーションに交じることができないようだと、なれない環境で働く外国人アルバイトは疎外感を感じてしまいます。

働き始めは特に、どんどん周りから声をかけ、コミュニケーションをとることで、外国人アルバイトに「自分が必要とされている」と感じてもらうようにしましょう。外国人留学生の多くは、「将来は、日本語の先生になりたい!」など、夢の実現のために日本に留学しています。彼らは、日本の文化や日本語を学びたいという意欲がもともと高く、バイタリティがあります。

ぜひ、外国人アルバイトの気持ちをよく理解して、言葉のハンディをなくし、働きやすい職場環境をつくって、活躍してもらいましょう。入店数ヵ月間のフォローを手厚くすることで、良い職場だと感じてもらえれば、日本にいる数年間にわたって働いてくれたり、同じ学校の友人を紹介してくれたりするというメリットもあります。外国人アルバイトにとって働きやすい職場環境は、日本人にとっても居心地が良いはずです。人材不足の時代だからこそ、誰もが活躍しやすい環境をつくれるとよいですね。

ここまで外国人アルバイト教育のためのポイントについてご紹介してきました。

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