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介護業界における長年の課題「マネジメント人材」の育成、どう行う?必要な育成の仕組み作りのポイントとは?

高齢化が進む日本では、増え続ける高齢者に対する介護サービス提供を担う介護人材の不足という大きな問題を抱えています。
そのため、それぞれのスタッフが有している知識や技術、能力に応じて仕事の割り振りをしなければ、業務が非効率になり、望ましい介護サービスを提供できません。質の高いサービスを提供するには、現場のマネジメントが非常に重要ですが、介護業界は「マネジメント人材」が足りない、育ちにくいとされています。
その理由と、介護業界におけるマネジメント人材に求められるスキル、そうした人材を育成するためにどのような仕組みを作る必要があるのかを解説していきます。

もし介護業界でマネジメントに課題を感じている方は、ABILI Clipをご活用いただくことで、組織マネジメントの改善、教育研修負担軽減、新人の離職率抑制、施設利用者の満足度向上と、様々な効果を実感いただけますので、ClipLine株式会社までご相談ください。

目次[非表示]

  1. 1.介護業界におけるマネジメントの重要性
  2. 2.介護業界におけるマネジメント人材不足の要因
  3. 3.介護業界のマネジメント職に求められるスキル
  4. 4.マネジメント職を育てるための仕組み作り・研修のポイント
  5. 5.まとめ

介護業界におけるマネジメントの重要性

まず、介護業界の現場においてマネジメントが重要となるのはなぜでしょうか?
その理由をご説明します。

介護士の業務効率化

介護の現場では、業務内容や求められる能力が膨大で、多くの時間と労力を費やすため、長時間労働になりやすく、人手不足も大きな課題とされています。こうしたなかでいかに業務の効率化を高め、サービス品質を上げていくかは、マネジメントによるものが大きいです。
介護事業所におけるマネジメントの仕組みの整備・そのための人材育成は、各介護事業所で働く一人ひとりの介護スタッフが最大限の能力を発揮できるようにするための手立てであり、品質に直結する部分です。

安心感がある組織を構築する

人と人が接することが多く、またサービスやオペレーション内容が利用者によって違ってくるなど、マニュアルどおりにはいかないという課題は介護現場の特徴ともいえます。
そうしたなかで働くスタッフには様々なストレスがかかってきます。管理職のマネジメント次第で、現場の質や働く環境、従業員の向上心に大きな差が生じます。
このような課題を解決するためにも、介護の現場には優秀なマネジメント能力を持つ管理職の人材確保が必要となるのです。

国も注力する介護福祉士のマネジメントスキル

近年、介護現場では国家資格取得者を増やすことを推奨しています。
介護福祉士については、2019年度に教育カリキュラムの見直しがありました。変更されたカリキュラムを見ていくと、介護福祉士には、介護職の国家資格として、介護・医療連携など地域包括ケアへの意識と共に、介護の職場でのリーダーシップを取ってほしいという国の期待を感じます。
「チームマネジメント」を学ぶ教育課程は30時間から60時間へと倍の時間が充てられ、組織の運営管理や人材管理、リーダーシップの取り方を学ぶ内容となっているようです。

介護業界におけるマネジメント人材不足の要因

しかし、介護業界の現場では、優秀なスタッフはいてもマネジメント職がいない、仕組みがないという悩みがよく聞かれます。その原因をご説明します。

マネジメント人材の育成の仕組みが体系立って整っていない

介護業界の現場においては、言わずもがなサービス利用者に対する介護オペレーションが最も重要となり、そうした領域における研修やOJTの仕組みを整えている事業者は数多くいますが、現場でのマネジメント人材の育成への注力はまだまだと言えます。
現場歴の長いスタッフが拠点でのマネジメント職を勤めることも多いですが、介護オペレーションのスキルとマネジメントのスキルは別のものです。
確立したスキルとして体系立った育成環境が必要になります。

目標設定・キャリア形成がしにくい

職場としての目標も、個人としての目標も、明確化されることが少ないのも介護の現場の特徴です。人を相手にする仕事は数値化しにくく、目標設定がしにくい側面があります。一方、目標が明確にされなければ、何に向かって努力し、スキルアップを図ったり意欲を高めていったりすればいいかがわかりません。
目標が正しく設定されることで、キャリア形成のステップがきちん整っていきます。現場でエキスパート職としてスキルを伸ばしていくのか、もしくは組織や拠点を円滑に運営するためのマネジメント職を目指すのか、そうしたキャリアステップが見えづらいのも課題の一つです。

人手不足

実は「2000年以降で最も人数が増えた職種は介護職員」というデータもあるくらい、介護職員の数は増加傾向にあります。
にもかかわらず、高齢化の影響で増加傾向を上回るほどの需要が生まれており、現場では人手不足が叫ばれています。そうしたなかでは、現場のオペレーションを回すのが手一杯となり、適切なマネジメントを行える環境が生まれなくなってきます。

介護業界のマネジメント職に求められるスキル

介護事業所等でマネジメントを行う場合には、以下のマネジメントスキルが求められます。

介護に関する専門力

介護に関する基本知識だけでなく、様々な状況下に対応できる冷静な判断と適切な指示ができる力

従業員育成・指導力

従業員一人ひとりに合った育成マニュアルの作成や面談、助言、日報、業務分担の指示ができる力

施設マネジメント力

​​​​​​​施設全体の状況を把握し、施設利用者に適切なサービスを提供する力

人材マネジメント力

介護職員同士の人間関係を整える人事マネジメントや採用・役割分担から、施設利用者を増やす力

リーダーシップ・統率力

「この人の下で学びたい・働きたい」と思われるリーダー

コミュニケーション力

自分の考えを自分の言葉で伝え、従業員の心を動かし、行動に変えることができる力
自分の考えを伝えるだけではなく、相手の話を聞く傾聴力

目標の設定・管理スキル

実現可能な具体的な目標設定と、達成までのスケジュール管理ができる力

コーチングスキル

「指導」するのではなく、従業員が自ら答えに気づけるようにサポートしていく力

評価スキル

公平かつ客観的な視点で、チームや個人の成果をしっかりと評価できる力
(仲の良さや好き嫌いなどの感情から評価基準を変えてしまうのはご法度)

一定のキャリアを積んだ介護福祉士がチームリーダーの役割を担い、利用者の多様なニーズに対応できるチームケアを推進していくべきです。複数人のマネジメント職が分担して仕事を担っていくのもよいでしょう。

マネジメント職を育てるための仕組み作り・研修のポイント

それでは、そうしたスキルを持ったマネジメント人材を育てるために、どのような仕組みを整える必要があるのでしょうか?

マネジメントに集中するための業務効率化

1.暗黙知の形式知化

チームのなかで共通言語化を図り、適切な形式知化を進めていくことで、感覚や経験という暗黙知から脱却する必要があります。
残念ながら、リーダーになるべく教育を受けていない人がリーダーになってしまうと「しっかりやれ」や「正しく正確にやろう」などと、とても曖昧な言葉を使ってしまいがちです。このような曖昧な言葉は、ミスコミュニケーションを生むことに繋がるだけでなく、介護の現場では特に事故・過誤に直結してしまうため、今すぐやめるべきです。

2.ITツールの導入

ITツールの導入で業務効率化を実現することもできます。例えばグループウェアを導入し、チャット機能を使えば、施設・個人間の情報共有や報連相の徹底ができます。スケジュール管理機能を使えば、施設従業員の仕事が見える化でき、業務のサポートや個々の能力に適合した業務の分担がこれまでよりスムーズにできます。
また、日報機能や掲示板機能、データ保管機能により、バックオフィス業務全体の効率化が期待できます。管理職に求められる仕事が多い分、システムで補える部分はITツールを利用していくことがポイントです。

3.介護記録ソフトの活用

介護サービスで必要とされる記録は種類が多く重要なだけに、これに関わる負担の大きさが問題になります。この問題に対しては、一般に介護記録ソフトと言われるシステムの利用が大きな力を発揮します。
単に負担の軽減だけでなく、記録を活かした介護サービスの質の向上やリスクマネジメント、業務の効率化、職員教育等、介護のマネジメントを進めていくことができます。
介護記録ソフトは、利用者の心身に関わる日々の情報や提供した介護サービスとその結果等の記録に有用な情報として活用でき、関係者の情報共有を容易にします。また、業務スケジュールの管理や議事録、掲示板、事故・苦情報告等にも便利です。

4.アウトソース活用の検討

各スタッフの勤怠管理や請求管理等、バックオフィスの煩雑な業務をアウトソースし、時間を割くべき現場スタッフ及び利用者のケアにリソースを注げる体制にすることも有効な打ち手です。
導入コストが懸念になりますが、きちんと設計を行えば、現場の負担感なく、マネジメントに集中できることによって、費用以上の効果を生み出せる場合もあります。

研修形態・手法の検討

1.リモート研修

マネジメント職研修を実施しようと思っても、「時間が取れない」「現場を空けられない」などを理由に実施できないという声が上がりがちです。
このような場合、研修のリモート化が効果的です。

リモート研修の仕組みを整えれば、例えば動画での研修コンテンツを配信することで、好きな場所で好きな時間に何度も繰り返し動画を見ることができます。
リモート研修を実現するためには、介護向けの研修コンテンツを揃えているeラーニングシステムを提供しているベンダーを利用することも可能です。介護業界のリーダー向けのキャリアデザイン研修のカリキュラムを揃えているシステムもあります。

上記のようなシステムを利用することで社内リソースを割かずに効率的に行うことができますが、社内にノウハウが溜まっていかなかったり、独自のオペレーションの落とし込みが難しいというデメリットもあり、社内で内製化する際の工数やメリットを比較して検討する必要があります。

2.研修によるマネジメント資格取得の推奨と助成金活用

マネジメント能力強化には、研修の受講を推奨し、取得した場合にはインセンティブを付けることも効果的です。
現在いろいろな介護福祉士向けのキャリアアップ研修が開催されています。
また、従業員のキャリアアップを支援した介護事業所等は、人材開発支援助成金などの助成金が国から受け取れる制度を活用することもできます。

3.研修会社などへのアウトソース

マネジメント人材の育成に対して体系だったカリキュラムを持つ企業に教育研修をアウトソースし、研修を任せるという方法があります。費用面での問題もありますが、より専門性が高く効率的な教育を社内リソースを割かずに効果を高められるメリットがあります。

適切なスキル設定/目標管理、志向やキャリアパスに応じた柔軟な目標設定

介護職は様々な働き方のできる職業です。20代・30代では現場で第一線で働き、40代・50代で管理者になったり、肉体的に負担が少ないケアマネジャーになったり、年代やライフスタイルに応じて働き方を変えることができる職業ですし、志向やキャリアの希望に応じて柔軟なキャリアパスを描くことができます。
個々の希望を理解しながら、マネジメント人材が成長していくための適切な目標設定とキャリア構築のサポートをしていくことが大切です。

まとめ

このように介護業界のマネジメント職の存在は重要で、的確なマネジメントの有無によって、職場のパフォーマンスは大きく変わります。

マネジメント職がきちんと価値を発揮するためには、環境の整備、特に現場業務の暗黙知の形式知化やIT化が必要で、そこにはいかに負担なく浸透させるかという課題も存在します。

それに対してABILI Clipは、短尺動画を用いた動画マネジメントシステムで、現場スタッフの指示出し・報告、現場スタッフの教育、双方向のコミュニケーションをサポートすることができます。
eラーニングに活用できる機能も充実しており、カリキュラムを自由自在に設定することやテスト・アンケートも実施が可能なので、マネジメント職の適切なスキル設定/目標管理をサポート・業務効率化をすることができます。

また、動画の制作支援やサポート・コンサルティングも充実しています。
介護業界の大手企業での導入実績も多数あるため、ぜひ活用をご検討ください。まずは資料をダウンロードしてみてください。


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