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SECI(セキ)モデルとは?4つのプロセスと場、ナレッジマネジメントとの関連性について解説

SECIモデルとは、個人の知識を組織全体で共有して、新しいものを創造するプロセスのことです。この記事では、ナレッジマネジメントを実践したいと考えている企業の担当者に向けて、SECIモデルの詳細を解説します。SECIモデルについて理解を深め、自社にナレッジマネジメントを取り入れるための参考として役立ててください。

ABILI Clipは、SECIモデルをサービスコンセプトに開発された、デジタル上でのナレッジマネジメントを可能にするシステムです。「デジタルSECIモデル」として特許も取得しています。ご興味のある方はぜひ詳細をご覧ください。


目次[非表示]

  1. 1.SECI(セキ)モデルとは
  2. 2.ナレッジマネジメントとは
  3. 3.SECIモデルの4つのプロセス
  4. 4.SECIモデルにおける4つの「場」
  5. 5.SECIモデルの導入事例
  6. 6.ナレッジマネジメントを成功に導くためのポイント
  7. 7.まとめ

SECI(セキ)モデルとは

個人が蓄積している知識を組織全体で共有し、新しい発見やアイデアを生み出すためのプロセスをSECIモデルといいます。一橋大学の野中郁次郎氏と竹内弘高氏がフレームワークとして提唱しました。  

SECIモデルは、「暗黙知」と「形式知」と表現される2つの概念をもとにして新しいノウハウやアイデアを生み出すという考え方です。暗黙知は言葉で説明するのが難しい知識、形式知は言葉で伝えられる知識を意味しています。  

ナレッジマネジメントとは

ナレッジマネジメントとは、社内で保有している知識をマネジメントして有効活用する手法です。社内ではそれぞれの担当者が個別にたくさんの知識を保有しているため、それらを活用するには適切にマネジメントする必要があります。  

SECIモデルを活用すると個人が蓄積している知識を共有でき、組織として売上や成果を高めるために役立てられます。  

SECIモデルの4つのプロセス

SECIモデルには4つのプロセスがあります。ここでは、各プロセスについて解説します。  

共同化(Socialization)

共同化とは、個人の暗黙知を他者に共有するプロセスです。暗黙知は言葉で説明するのが難しいため、一緒に作業することで共有します。実際に作業すれば、五感を使って感じ取ってもらえます。勘に頼ったり体で覚えたりすべき部分についても、スムーズに共有できます。  

たとえば、子弟制度やOJTなどは共同化の手法のひとつです。日々の業務を通して知識を共有し、特定の人だけが保有していた暗黙知をほかの人も理解できるようにします。  

表出化(Externalization)

表出化とは、暗黙知を形式知に変換するプロセスです。暗黙知は一緒に作業すると他人に伝えられますが、より多くの人へ効率的に共有するためには言葉で表現できるようにする必要があります。表出化においては、知識を単に文章で表すだけでなく、例示、図解、ストーリーなどさまざまな手法で表現します。個人の知識をマニュアル化し、社内で共有することが重要なポイントです。  

表出化する前の暗黙知は主観的なものですが、変換された後の形式知は客観的なものになっています。  

連結化(Combination)

連結化とは、複数の形式知を組みあわせるプロセスです。さまざまな個人の暗黙知をもとにした形式知を組みあわせれば、より有用なノウハウとして役立てることが可能です。  

たとえば、異なる部署同士の形式知を組みあわせると、それまで以上に業務効率化を図れるでしょう。それぞれの優れている部分をあわせて活用できるため、全社的に業務を改善できます。  

複数の形式知を組みあわせている場合も、引き続き形式知として扱われます。  

内面化(Internalization)

内面化とは、連結化によって新しく生み出された形式知を個人が身につけるプロセスです。個人の暗黙知は単に形式知へ変換するだけでなく、さらにほかの個人の暗黙知として昇華する必要があります。  

たとえば、個人の暗黙知を組みあわせて形式知へ変換し、マニュアルを作成したとしましょう。各担当者はマニュアルをもとにして日々の業務に取り組みます。日々の業務を通じてさらにノウハウやコツを発見し、暗黙知を得ていきます。  

SECIモデルにおける4つの「場」

SECIモデルのプロセスを実践するためには、それぞれに適した「場」が必要です。「場」は場所だけでなく、状況も含んでいます。ここでは、それぞれのプロセスの「場」について解説します。  

創発場|共同化の場

創発場は、共同化を実践するための場です。暗黙知を蓄積している個人と共有を受ける人が同じ場所に集まり、一緒に作業して知識を身につけたり業務の進め方を目で見て覚えたりします。OJTを行う業務の現場だけでなく、昼休みの雑談の機会なども創発場として活用できます。  

対話場|表出化の場

対話場は、表出化を行うための場です。暗黙知を形式知に変換するための作業を行います。たとえば、マニュアルを作成するためのミーティングや、知識を図や音声などで表すプレゼンテーションなどが対話場です。対話場で表出化を行えば暗黙知を形式知に変換でき、個人の知識を全体に共有しやすくなります。  

システム場|連結化の場

システム場は、連結化を実現するための場です。それぞれの個人の暗黙知から派生した形式知を持ち寄り、組みあわせます。たくさんの人の形式知を効率的に共有するには、仮想空間を活用するとスムーズです。たとえば、ビジネスチャットツール上にシステム場を設けて形式知を投稿すれば、多様な形式知を簡単に共有できます。  

実践場|内面化の場

実践場は、内面化を行うための場です。他人の形式知を自分の暗黙知にするプロセスであるため、特定の場所を確保する必要はありません。それぞれが取り組む日々の業務が実践場となります。日々の業務を進めるなかで形式知から得られた新しい知識を活用し、自分のものにしていきます。  

SECIモデルの導入事例

SECIモデルはさまざまな組織が導入しています。ここでは、SECIモデルの導入事例を紹介します。  

国土交通省

国土交通省では、災害が発生した際の対応を強化する目的でSECIモデルを導入しています。もともとマニュアルを用意していましたが、まとめられているのは基本的な内容のみでした。そのため、担当者の経験が少ない場合、実際に災害が発生した際にスムーズな対応ができない可能性があると懸念されていました。  

そこで複数のツールを導入し、それぞれの個人が蓄積している暗黙知を共有しやすい環境を整備しています。具体的な場面に応じた対応方法も共有できるようになり、経験が少ない担当者の教育を強化できています。  

NTT東日本法人営業本部

NTT東日本法人営業本部は、早い段階からSECIモデルを取り入れています。SECIモデルの各プロセスに必要な場を設けるため、リアルとバーチャルをうまく組みあわせています。  

まず、オフィスにフリーアドレス制を導入してコミュニケーションの機会を増やし、創発場を作りました。対話場として、チーム同士で話しあいができるクリエイティブゾーンも設けています。また、社内で閲覧できるホームページを作成し、効率的に形式知を共有できるシステム場を設置しました。さらに、実践場としてコンセントレーションルームが用意されています。  

富士ゼロックス

富士ゼロックスでは、製品を開発するための工程にSECIモデルを採用しました。共同化、表出化、連結化、内面化の4つのプロセスを設け、暗黙知の共有とともに、形式知のインプットや活用をしやすい環境を構築しています。現場のエンジニアが蓄積している知識を共有し、よりよい製品の開発につなげています。  

ナレッジマネジメントを成功に導くためのポイント

ナレッジマネジメントを成功させるためにはSECIモデルを正しく理解するだけでなく、ほかのポイントも押さえる必要があります。ここでは、具体的なポイントを解説します。  

場の創造

ナレッジマネジメントをスムーズに進めるには、意識的に場を設ける必要があります。場では、知識が共有されたり活用されたりします。場を設ければ自然と知識の共有や活用が進むため、ナレッジマネジメントを成功させやすくなるでしょう。  

たとえば、社内SNSを導入したり、休憩スペースで気軽に雑談できる雰囲気づくりをしたりするのがおすすめです。  

知識資産として共有できる仕組みづくり

ナレッジマネジメントを進めるうえでは、個人がもっている知識を財産としてきちんと共有する必要があります。重要な知識を全社的に共有できなければ、自社の業務が個人に依存する恐れがあります。すべての人が確認できるデータベースを作ったり、定期的にミーティングを開いたりして、知識を確実に共有しましょう。  

共有の仕組みを構築すると、情報共有やイノベーションの活性化にもつながります。  

まとめ

SECIモデルを導入すれば、ナレッジマネジメントをスムーズに進められます。SECIモデルについて理解を深め、自社のナレッジマネジメントを強化しましょう。ナレッジを共有するには、動画を活用すると特にわかりやすいです。  

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