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ナレッジマネジメントとは?業務効率化や教育に取り入れられる事例紹介

店舗運営では、よりお店の利益を上げるために、業務の効率化や教育を考えるシーンが多いでしょう。本記事では、店舗運営を任されているご担当者様向けに、業務効率化・教育に活用できる「ナレッジマネジメント」について解説します。ぜひ参考にしてください。

目次[非表示]

  1. 1.ナレッジマネジメントとは
  2. 2.ナレッジマネジメントの背景
  3. 3.ナレッジマネジメントがもたらす効果
  4. 4.ナレッジマネジメントの事例紹介
  5. 5.ナレッジマネジメントを取り入れるには
  6. 6.ナレッジマネジメントでもっとも重要なこと

ナレッジマネジメントとは

ナレッジマネジメント(Knowledge Management)は、英語略から”KM”とも言われ,直訳で「知識の管理(マネジメント)」という意味になります。つまり、個人や企業の持っている知識やノウハウなどを会社全体で共有し、生かす一つの経営手法ということです。
また、ナレッジマネジメントを理解するためには組織が持つ知識の理解も必要になります。

2種類の暗黙知と形式知の分類


暗黙知:簡単には言葉で説明できない知識のこと。(長年の勘やノウハウなど)

形式知:言葉や文章で表現できる知識のこと。(パソコン上や書類のデータなど)


また、暗黙知には「認知的暗黙知」と「技術的暗黙知」の細かい分類があります。


認知的暗黙知:精神的暗黙知とも言われ、それぞれの思考の形や世界観、視点、信念などのこと。

技術的暗黙知:身体的暗黙知とも言われ、実際に経験や体験をすることで初めて得られる知識のこと。


技術的暗黙知をもう少し別の例で説明すると、「車の運転」がわかりやすいです。
教習所の座学でいくら車の運転方法を教わっても、いざ実際に運転するとなると、思っていたよりはスムーズに運転することはできません。操作と指導を受けることを何度も繰り返すことで初めて「車の運転」の知識を得ることができます。この知識を、新たに免許を取得しようとする人に教えようとした時にも、同じ実践が必要となるでしょう。
言葉では伝えきれない知識、それが「暗黙知」なのです。 

言葉にすることが難しい「暗黙知」を文章などで表現することによって、「形式知」になり、企業内で活用することができます。この2つの相互作用を上手く利用することが、ナレッジマネジメントに大切であるとされています。

ナレッジマネジメントでは、情報や知識を共有するということが一番のポイントです。知識が共有されることにより、個人が活躍します。個人が活躍することにより、組織が活性化するのです。組織を変えるには、人間改革が必要なのです。

ナレッジマネジメントの背景

ナレッジマネジメントの背景

ナレッジマネジメントが始まったのは、1990年代に発表された「The Knowledge Creating Company(知識創造企業)」がきっかけとされています。これは日本初の経営理論とされ、一橋大学の名誉教授である野中郁次郎氏とと竹内弘高氏によって提唱されました。
提唱されている中で代表的なのが「SECI(セキ)モデル」という基本的なサイクルです。これは、暗黙知や形式知の知識が組織の中で移り変わっていく流れをフレームワークとして表しています。

SECI(セキ)モデル

①共同化(Socialization)

暗黙知を共有することです。暗黙知は説明などで共有することが難しいとされているため、同じ実体験をすることが大切です。

②表出化(Externalization)

暗黙知を形式知に変換することです。共同化で共有した体験を、話し合ったり文章や図表などで明確化します。実体験していない人でも理解できるように、話し合いは論理的におこなうことと、具体例を盛り込むなどの工夫が必要です。

③結合化(Combination)

表出化で捻出された形式知と形式知を結びつけ、新しい知識体系を作っていく作業です。組織を機能させるためには、重要なステップになります。
既存の形式知とも結びつけることが可能で、現状のサイクルやデータなどに組み込んだり入れ替えることで、組織の知的財産へと変化していきます。

④内面化(Internalization)

結合化で形になった、形式知を個人や組織に共有すること、つまりフィードバックです。
新たな知識を有効に活用することで得られた「経験」や「認知」は、また新たな暗黙知を生み出します。そして、また①のステップに戻るというサイクルを作り出し、組織や個人の知識の質が上がっていくのです。

また、「場(ba)」と呼ばれるコンセプトもあります。いくら知識をつけても、マニュアルを読むだけでは理解できません。その「場」に行った時にも対応できるように、暗黙知はできる限り明確化する必要があるのです。

ナレッジマネジメントがもたらす効果

ナレッジマネジメントがもたらす効果

今まで一部の優れた社員にしかできなかったものが、ナレッジマネジメントの導入により知識やノウハウが継承され、たくさんの社員ができるようになるなどの効果が期待できます。
組織の生産性を上げるのは、一人ひとりの社員、つまり個人です。個人の能力を上げるためにはいかに良い人材を育てるかです。
ただ育成に無駄な時間を割くよりも、ナレッジマネジメントを導入した方が効率的に生産性を上げることが可能です。仕事ができる人間は、優秀な個人から知識やノウハウを盗みます。それを、誰でもできるように「見える化」するのがナレッジマネジメントの役割でもあります。
知識や技術のスムーズな収集ができることで組織全体の士気が上がり、IT系のツールも利用することで業務の効率化が図ることができ、しかも一度導入してしまえばそのサイクルは永遠に続くのです。
良いサイクルが続くということは、現状が解決するだけではありません。新たな知識を一人ひとりが受け継ぐことができるということは、それだけ新たな事業も生み出されます。つまり、新規事業の開発がされ、生産性まで向上するということです。

ナレッジマネジメントを正しく取り入れることで、これだけ多数の成果が生まれるのです。

ナレッジマネジメントの事例紹介

ナレッジマネジメントの事例紹介

ナレッジマネジメントを実際に取り入れた企業の事例を紹介します。

1.みずほ情報総研株式会社

みずほ銀行などの銀行や企業の「みずほグループ」の一企業である「みずほ情報総研株式会社」は、金融機能とリサーチ、コンサルティング機能を組み合わせたサポートを行うコンサルティン企業です。
高いリサーチ能力から、コンサルタント研究員のノウハウが数十万件も蓄積されていた「みずほ情報総研株式会社」ですが、以下の悩みを抱えていました。

・ひとつの情報を見つけ出すのが大変
・多数の情報が検索されるため、ユーザーにはどれが最適か判断できない

この問題を解決するために利用されたのが「ナレッジマネジメント」です。自社の一番の問題点であった「検索機能」を改善するため社外ベンダーと協業し、「Accela」シリーズのシステムを導入することで、高精度で超高速の検索ができるようになりました。

他社の協力により得たナレッジを自社で活用することで、ナレッジマネジメントが実現し、膨大な量の情報を適切に提供することができるようになったのです。

2.ケッピーデザイン

ケッピーデザイン社は、国際的にも高い評価を得ているスコットランド有数の建築設計会社です。医療施設や教育施設など様々な実績を残してきたケッピーデザイン社ですが、大型投資が増え始めたことにより急速な成長が必要となり、以下の問題が懸念されるようになりました。

・経験の浅い社員の増加
・英国の建築教育はデザイン重視のため、技術力が低い若手建築士が多い。若手の育成が間に合わない
・女性2人で管理していた販促資料や入札資料の作成が手に終えなくなってきた

ケッピーデザイン社は、こした背景からナレッジマネジメントに取り組みました。

社長から、ナレッジ・マネージャーに抜擢された女性により開始された「ナレッジマネジメント」。具体的には以下のような取り組みを行いました。

・設計者の能力開発を後押しするポータルサイトの構築
・社員同士のコミュニケーション、協業の改善
・プロジェクトで個人やチームが得た知識を組織全体で共有
・ウェブシステムの開発

新入社員が自ら学ぶことができるようになったことで、教育に時間を割く必要なくなったり、入札資料作成もシステム導入により定形化されることになるなど様々な効果が得られた。また、今まで人的作業であったものがシステムされたことにより時間に余裕が生まれ、事務所のプロジェクトやイベント情報が飛び交う賑やかな場となりました。

ナレッジマネジメントを取り入れるには

ナレッジマネジメントを取り入れるためには、いくつかポイントがあります。

①共有しやすい環境を整える

知識を継承していくためには、可視化が必要です。その可視化が見づらいものでは、意味がありません。紙媒体では時間がかかってしまうためデータ化が効率の良い方法ですが、ナレッジマネジメントでよく利用されている共有ツールを使用した方が良いでしょう。

②経営陣の取り組む姿勢が大切

社員にナレッジマネジメントの重要性を伝えるためには、経営者自らが率先して取り組む必要があります。経営者の理解が足りないと、続かないマネジメントになってしまうので抑えておくべきポイントです。

③ナレッジリーダーシップ

ナレッジマネジメントで成果を出し、良いサイクルを作るために必要なのは「リーダー」の存在です。元々の知識が豊富な個人や吸収するスピードが早い個人などは、リーダーに抜擢すると良いでしょう。知識を作り出す力を持つリーダーにより、ナレッジマネジメントは活性化し、知識の継承が続くようになります。

ナレッジマネジメントでもっとも重要なこと

ナレッジマネジメントでもっとも重要なこと

ナレッジマネジメントは、最初に導入する時が肝心です。何よりも環境を整えておく必要はあるので、便利なツールを取り入れてから初めてみてはいかがでしょうか?
経営に少しでも不安を抱いた時は、何が悪いのか「見える化」することが大切です。ナレッジマネジメントを利用することで不安を取り除き、生産性が上がる効率の良いサイクルを作り出してください。

ここまでナレッジマネジメントについてご紹介してきました。

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