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多店舗ビジネスにおけるKPIとは|重視すべき指標や管理方法を解説

多店舗ビジネスを成功に導くには、適切なKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)を設定し管理していくことが大切です。特に多店舗ビジネスにおいては、チェーン全体に加えて個別の店舗単位でもKPIを設定・管理しなければなりません。しかし、具体的にどのような項目を設定し、どのように管理していけばよいのかわからないという方もいるでしょう。

本記事では、多店舗ビジネスにおけるKPIについて、重視すべき指標や管理方法を解説します。多店舗ビジネスに取り組む経営者・担当者の方は、ぜひ参考にしてみてください。   

目次[非表示]

  1. 1.多店舗ビジネスにおけるKPIとは
  2. 2.多店舗ビジネスにおけるKPIの設定方法
  3. 3.多店舗ビジネスにおけるKPIの管理方法
  4. 4.まとめ:多店舗ビジネスのKPI管理ならABILI Board

多店舗ビジネスにおけるKPIとは

多店舗ビジネスでは、一般的に以下のような指標をKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)として設定します。

  • 売上・利益
  • 商来店客数
  • 購買率
  • 平均客単価
  • 顧客満足度
  • リピート率
  • 人時生産性
  • ロス発生率

それぞれの指標の意味と重要性について、詳しく見ていきましょう。

売上・利益

売上は商品やサービスを販売した合計金額、利益は売上から費用を差し引いたものです。売上・利益はビジネスの収益力に直結する指標で、重要なKPIの一つです。

まずチェーン全体の年間・月間の目標売上を決め、それを達成するために必要な各店舗の売上を算出し、KPIとします。例えば、チェーン全体の月間売上目標が1,000万円で5店舗経営している場合、単純計算で1店舗あたり月200万円の売上が必要です。ただし、店舗の規模や取り扱い商品の価格帯、顧客層などが異なる場合は、それぞれの店舗の売上傾向に合わせてKPIを設定します。
また、利益率のKPIに関しては、過去の自店舗のデータから現在の利益率を算出した上で、業界平均や他店舗の利益率と比較した上で、最適な数値を設定します。

来店客数

来店客数は、一定期間中に店舗を訪れた顧客数のことです。実店舗を経営する場合、まず店舗を訪れてもらえなければ販売できないため、来店客数は売上や利益につながる重要な指標です。

来店客数をKPIに設定するには、目標売上・平均客単価・購買率から必要な来店客数を算出します。例えば、月間売上目標が200万円で平均客単価が1万円なら、月200人のお客様に販売できれば目標の達成が可能です。このとき、来店したお客様の5割が実際に購入してくれると仮定すると、来店客数の目標は月400人となります。

購買率

購買率は店舗を訪れた顧客のうち実際に商品を購入した人の割合で、「購買客数÷来店客数」で算出できます。来店客数が同じでも、購買率が違えば店舗ごとの売上は異なります。

「来店客数の目標は達成しているのに売上が目標に届かない」という場合、購買率が低いのかもしれません。来店客数が同程度の店舗と購買率を比較し、差があるようなら改善の余地があると考えられます。

平均客単価

平均客単価は顧客の購入金額の平均を指し、「売上金額÷購買客数」の計算式で算出が可能です。来店客数や購買率が高くても、平均客単価が低いと売上のKPIを達成できない可能性があるため、重要なKPIの一つです。

平均客単価が高い店舗では、アップセルやクロスセルといった顧客一人あたりの購入金額を引き上げる施策が効果を発揮しているのかもしれません。平均客単価の向上に取り組むなかで、同じ顧客数で効率的に売上アップが図れるようになります。

顧客満足度

顧客満足度は、顧客が商品やサービス、店舗に対してどの程度満足しているかを表す指標です。顧客満足度が高いと継続利用につながりやすく、購入単価の向上やリピート購入が期待できるため、売上を伸ばすために欠かせないKPIの一つです。

顧客にアンケートを依頼して結果を比較すれば、店舗ごとの顧客満足度の違いがわかります。「特に接客スキルに不満を持つお客様が多い」など、具体的な改善ポイントが見えてくるはずです。

リピート率

リピート率は、新規顧客に対するリピート顧客の割合です。一般的に、新規顧客を獲得するコストはリピート顧客を獲得するコストよりも高いとされており、効率的な経営のためにはリピート率の向上が欠かせません。また、商品やサービスに満足しなければリピート購入はしないため、リピート率は顧客満足度を測る指標にもなります。

どの程度のリピート率を目指すべきかは、商品の消費サイクルや業界によって異なります。店舗ごとのリピート率を現状の数値を分析して算出したうえで、売上目標に紐づく理想のリピート率と比較し、その差を埋めるための施策を顧客満足度等のデータを踏まえて検討することが重要でしょう。

人時生産性

人時生産性とは、一人の従業員が一時間あたりに生み出す利益を指し、「粗利益高÷総労働時間」で算出できます。多くの利益を出すには、売上を高める施策と並行して生産性を高める工夫も必要です。

「必要以上の人員を配置している」「業務効率が悪く労働時間が長い」といった店舗は、人時生産性が低くなります。利益目標を達成できていない店舗は、売上が足りないだけでなく、人件費などのコストがかかりすぎているのかもしれません。店舗ごとの人時生産性を比較し、高い利益が出ている店舗を基準とすることでチェーン全体の生産性向上につながる可能性があります。

ロス発生率

過剰な仕入れなどによって売れ残りや賞味期限切れが起きると、商品や原材料を廃棄しなければなりません。これをロスといい、ロス発生率が高くなるほど店舗の損失となります。利益を確保するためには、当然ながらロスの発生をできるだけ抑える必要があります。ロス発生率をKPIに設定することで、仕入れや在庫の適切なコントロールを促せます。

多店舗ビジネスにおけるKPIの設定方法

多店舗ビジネスにおいて、KPIとして設定できる指標は多く存在します。しかし、単純に多数のKPIを追いかければよいというものではありません。KPIが多すぎると管理が複雑化するだけでなく、目指すべき成果と関連性が低い項目にとらわれてしまう可能性もあります。

適切なKPIを設定するには、まず達成したい目標を決め、そこからツリー形式でブレイクダウン・細分化していくのがおすすめです。売上が目標なら、必要な来店客数・購買率・平均客単価などに細分化していくというイメージです。

また、「売上=来店客数×購買率×平均客単価」のように、指標同士の関係性を把握しておくことも大切です。

多店舗ビジネスにおけるKPIの管理方法

多店舗ビジネスにおけるKPIの管理方法としては、以下の3点が重要です。

  • 各店舗の状況を可視化する
  • 目標や多店舗とのギャップを把握する
  • PDCAサイクルを回しながら数値の改善を図る

各店舗の状況を可視化する

多店舗ビジネスでは、「KPIは認識しているものの、店舗や部署ごとにデータをバラバラに管理している」という状況に陥りがちです。これでは店舗ごとの成果を比較しづらく、データを有効活用できません。

多店舗ビジネスでKPIを管理するには、ダッシュボード上に店舗ごとのKPIがまとまっている状態が理想です。一つのシステムで全店舗のデータを一元管理することで、比較や好事例の水平展開がしやすくなります。

目標や他店舗とのギャップを把握する

各店舗の状況を可視化したら、KPIに設定した指標について各店舗の数値を算出し、目標や他店舗とのギャップを把握しましょう。本部側では対策が必要な店舗の洗い出しができ、店舗側では自店舗の強み・弱みを把握できます。

全店舗のデータをまとめて管理することで、店舗ごとの前年比較などでは見つけられない改善ポイントが見えてくるでしょう。

PDCAサイクルを回しながら数値の改善を図る

目標達成のために埋めるべきギャップを把握したら、改善策を検討・実行します。改善策を実行したあとも、PDCAサイクルを回しながら継続的に数値をフォローしていくことが大切です。本質的な解決策になっているのかどうかは、KPIの改善をもって判断する必要があります。

各店舗の状況をダッシュボード上で可視化し、本部関係者だけでなく現場関係者も含めた全員が確認できるようにしておくと改善の促進につながります。特定の店舗で効果があった施策を水平展開するなど、チェーン全体で効率的に改善を進められます。

まとめ:多店舗ビジネスのKPI管理ならABILI Board

本記事では、多店舗ビジネスにおけるKPIについて、重視すべき指標や管理方法を解説しました。

多店舗ビジネスでは、チェーン全体および各店舗において適切なKPIを設定・管理することが大切です。KPIを多く設定しすぎると管理が煩雑になるため、目的に合ったものをピックアップしましょう。

多店舗ビジネスにおけるKPI管理では、各店舗の状況を一目で把握・比較できる状態にしておくのが理想です。ダッシュボードツールなどを活用して、データを一元管理するのがよいでしょう。多店舗・多拠点ビジネスの利益を向上させるプラットフォーム「ABILI」では、多拠点ビジネスに特化したダッシュボード「ABILI Board」を活用して店舗ごとのあらゆる情報を一元管理できます。自社専用のダッシュボードによる効率的・効果的なKPI管理にご興味がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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